<書物の身の上 出久根達郎>背文字のない本
新橋の芸者が交わす東京語

2020/3/28付
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日本経済新聞 朝刊
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明治時代の書物は、背文字の無いものが多い。和本なら仕方ない。背文字を入れる習慣が無かったし、文字を入れるほどの束(つか)(厚み)も無い。しかし洋本は違う。書店はどのような形で販売していたのだろう? 平台に表紙を見せて陳列していたとしても、せいぜい明治二十年代までで、以後は出版点数が格段に増えるから、書棚に立てて並べる方式に違いない。背文字が物を言うはずだ。

たとえば明治三十四(一九〇一)年刊の国…

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