<書物の身の上 出久根達郎>古稀の俳句談議
新劇人が編んだ父の句集

2020/1/18付
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日本経済新聞 朝刊
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一九三三(昭和八)年正月二日、札幌の久保邸は大にぎわいだった。当主兵太郎(ひょうたろう)の古稀(こき)祝いで、五男二女が全員顔を揃(そろ)えたのである。

ご機嫌の当主が一句詠んだ。七日にも詠じて披露した。「七草や七味全き粥(かゆ)の出来」

たぶんこの時、七人の子らと俳句談議に及んだのではないか。口を切ったのは、次男の栄(さかえ)かも知れない。栄は父の感化で小学三年の時から句を作っている。「雫(し…

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