ダブルブッキング 小林りん
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17年前、28歳のときのこと。ダブルブッキングで航空機の座席がアップグレードされた。隣になった紳士が国際情勢にやけに詳しく、太平洋横断中ずっと話し続けた。ビジネスクラスの赤ワインも底をつくころ成田に到着し、もらった名刺は「外務省北米局長 藤崎一郎」。私は当時ベンチャーから国際協力銀行へ転職活動中だった。自宅も近かった藤崎さんとは、お互いの好物のラーメンをすすりながら国際問題を語り合う仲になった。...
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