温暖化「パリ協定」の課題 「吸収」依存のシナリオ限界
人為的排出ゼロを指針に 茅陽一・東京大学名誉教授 山口光恒・地球環境産業技術研究機構参与
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2015年12月のパリでの国連気候変動枠組み条約締約国会議で、地球温暖化防止の新たな枠組み「パリ協定」が採択された。工業化以降の世界全体の平均気温の上昇をセ氏2度を十分下回る水準にとどめること(2度目標)や、21世紀後半に人為的な温暖化ガスの排出と森林などの吸収(マイナス排出)を均衡させて「正味の排出量」をゼロにすることが合意された。
すべての国・地域は温暖化ガス削減の自主目標(プレッジ)を作成...