内田康夫さんを悼む 愛棋家のセンセ
大崎善生
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「今日の棋譜をファックスしてくれませんか」と作家の内田康夫先生からときどき、私が勤めていた将棋雑誌の編集部に電話が入った。
名人挑戦者決定戦のような大一番は、気が気でないようだ。文壇本因坊のタイトルをお持ちのように囲碁の強豪としては有名だったが、実は将棋も好きだった。
当時、史上初の七冠を目指して勝ちまくっていた羽生善治に興味をお持ちのようで、要求される棋譜はほとんどが羽生さんのものであった。...
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