江戸川乱歩と横溝正史 中川右介著
作家の交友と出版界の興亡
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戦前から戦後にかけて活動し、日本の推理小説の草創期をともに引っ張った江戸川乱歩と横溝正史。それぞれの生涯と交友の軌跡を膨大な資料をもとに描く。2人がかかわった雑誌や出版社の盛衰と密接に関連付けながら記述しており、大正・昭和期における出版界の興亡史としても読める点が興味深い。
ほぼ同時期にデビューし、最初の20年は乱歩が不動の地位を得て、戦争中の5年はいずれも作品を書けず、次の20年はともに人気作家...
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