Noism「マッチ売りの話」「passacaglia」
現代的な問題意識 色濃く
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振付家金森穣から、このところ目が離せない。芸術監督を務めるNoismでの今回の新作でも、現代的な問題意識に裏付けられた旺盛な創作力を、改めて印象づけた。
休憩なしの2部構成の前半は、アンデルセン童話と別役実の不条理劇に基づく。平穏に暮らす老夫婦の元を、ひとりの女が双子の弟を連れて訪れる。女は自分たちが夫婦の子供であると主張し、2人の日常と理性を破壊していく。
まず舞台の作りに、不穏さが漂う。中央に...
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