ハエを取る三船 作家 北村薫

2016/8/26付
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日本経済新聞 夕刊
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子供の頃、夏休みの楽しみといえば、母の実家のある千葉県東金市に行くことだった。そこで、三船敏郎主演の『宮本武蔵』を観(み)た。母親が連れて行ってくれた。

映画は、一年に一回、観られるかどうかという贅沢(ぜいたく)な娯楽だった。

母は、

「鶴田浩二が綺麗(きれい)だった」

と、いっていた。佐々木小次郎を演(や)っていたのだ。わたしは、退屈していたようだ。もしかすると、寝ていたのかも知れない。ある場面…

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