米ラスベガスで1月6日に開幕した世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。初日の基調講演には、米国第2位の総合通信会社ベライゾン・コミュニケーションズのイワン・サイデンバーグ会長兼最高経営責任者(CEO)が登壇した。「通信業界はめざましい進歩を続けている」。サイデンバーグ氏は派手さのない語り口で切り出した。
過去10年、米国の携帯電話は第2世代(2G)から第4世代(4G)へと世代交代し、普及率は93%にまで達した。通信量は年率で2倍近い成長を続けた。固定ブロードバンド回線の通信速度は10年間で毎秒平均1.5メガビット(Mbps)から7Mbpsへと伸びた。
同様に、映像コンテンツの通信はインターネットの1割から9割を占めるまでに伸びた――。こう過去を振り返り「これからの10年はどうなるのだろうか。3D(3次元)映像が普及し、ホログラム通信が登場するだろう。機器同士の通信が格段にふえ、我々は『コネクテッド・ワールド』を実現することになるだろう」と講演のテーマを切り出した。
■話し手が突然交代した理由
ところが、同社の将来戦略を語るところで、サイデンバーグ氏はロウェル・マクアダム社長兼最高執行責任者(COO)にスピーカーをバトンタッチした。これには理由がある。サイデンバーグ氏は今年を最後に引退が予定されており、後継人事としてベライゾン・ワイヤレスのトップだったマクアダム氏を、2010年秋にベライゾン・コミュニケーションズの社長兼COOに昇格させた。
つまり、CESの場を借りてマクアダム氏を後継者として紹介するとともに、今後の戦略は経営を握る同氏に解説させたわけだ。米国の放送通信業界では、引退前の1年を「ロードショー」と称し、引退の挨拶をしつつ後継者を紹介してまわるトップが多い。
マクアダム氏は、10年末にサービスを開始した4Gの携帯通信サービス「LTE」から話を始めた。すでに38都市と60を超える空港でサービスを展開しており、今後1年半で全米の主要都市をカバーし、3年後には現在の第3世代(3G)ネットワークと同じ全営業地域で整備を完了する。
「ベライゾンのLTEは全米どこでも同じ周波数を使える点で非常に効率がよく、使い勝手もいいだろう」「遅延は既存の3Gの半分以下で、携帯向けゲームなどで威力を発揮する」。マクアダム氏はこうLTEをアピールした。米ヒューレット・パッカード(HP)やモトローラ、韓国サムスン電子、台湾HTCなどがLTE端末を準備しており、「LTEはこれまでのモバイルビジネスを大きく変える『ゲームチェンジャー』になるだろう」と強調した。
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