交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックが1日、新規株式公開(IPO)を申請した。上場時の時価総額は1000億ドル(約7兆6200億円)ともいわれ、株式市場の期待は大きい。だが、そんな社外の熱狂ぶりとは対照的に、フェイスブックは意外にも落ちついた様子だ。その背景を読み解くカギは、米証券取引委員会(SEC)に提出した申請書類に添付したマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の手紙にある。手紙の全文を、日本語訳と英語原文で紹介する。(シリコンバレー=奥平和行)
マーク・ザッカーバーグからの手紙
フェイスブックはもともと、会社を作るために始めたサービスではありません。「世界をよりオープン(開かれたもの)にして人びとの結びつきを強める」というソーシャル(社会的)な使命をなし遂げるために、作られたものです。
「このミッションが私たちにとってどういう意味を持っているか」「どのように意思決定をしているか」「なぜ私たちがこのようなやり方をしているか」を当社に投資する皆さんに理解してもらうことが、非常に重要と考えています。この手紙で、私たちのやり方について説明しようと思います。
フェイスブックにおいて、私たちは人びとが情報を共有したり消費したりすることに大変革を起こした技術から刺激を受けています。具体的には、効率的なコミュニケーションを実現して社会を大きく変えた印刷機やテレビなどがこれにあたります。こうした技術は多くの人に発言の機会を提供し、進歩を促し、社会の組織の作られ方を変えました。さらに人と人の間の距離を縮めたのです。
今日、私たちの社会は新たな転換点を迎えています。世界の人びとの過半がインターネットや携帯電話を使えるようになり、こうした素晴らしい道具は、考えていること、感じていること、行っていることに関する情報を誰とでも共有するために不可欠なものとなりました。フェイスブックは情報を共有し、既存の制度や産業を大きく変えるためのサービスを作りたいと考えています。
世界中の人びとをつなぎ、発言の機会を提供し、未来に向かって社会を変えることには、巨大なニーズと機会があります。そのために必要な技術やインフラの規模はこれまでにないものであり、これこそが私たちが注力すべき最も重要な課題と考えています。
■人びとの関係を強固にするために
私たちのミッションは大きいものに聞こえるかもしれませんが、起点は「2人の人の関係」という小さいものです。
個人的な関係は、社会の基礎をなすものです。こうした関係によって、新しい考え方を知ったり、世界について理解を深めたり、究極的には長期的な幸福を得ているのです。
マーク・ザッカーバーグ、フェイスブック、CEO
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