省エネ住宅への助成強化や改正省エネ法の施行などの動きに伴い、環境配慮型の建物への関心は一段と高まっている。近年、日射や照明光を反射させる建材を使い、意匠だけでなく省エネ効果をもくろむ建物が目立ってきた。ただ、反射の利用は別の場所でのまぶしさや温度上昇などを招きかねない。反射のリスクを考慮した設計手法は確立しておらず、設計者が検討する際の手掛かりも少ない。反射光がもたらした近年のトラブルなどを参考に、反射の利点と欠点を踏まえた設計手法を本連載で探ることにしたい。
建物に反射した光が、ほかの建物の利用者にまぶしさなどをもたらすトラブルは、いまに始まったことではない。『日経アーキテクチュア』でも、反射光のトラブルを過去に何度か報じてきた。
ただ、反射光のトラブルが起こっても、表面化したり、大きな問題になったりするケースは限られていた。頻繁に話題に上ってきた日照権や日影の問題と比べて対照的だ。トラブルが発生する時間や場所が限定されていたり、被害を受けた側がカーテンやブラインドなどで対処できたりすることもその一因だろう。設計者などに取材してみても、現状では設計過程で反射光の影響を十分に検討しているケースは極めて少ない。
太陽電池の反射も「害」に?
しかし反射光は、これまで以上に無視できない検討項目として浮かび上がる可能性がある。改正省エネ法の施行や、前鳩山政権が打ち出した温暖化ガスの削減目標などを背景に、将来の建物には、「環境性能」という旗印が一段と求められるからだ。
外装材での日射の反射は、夏季を中心に室内の温熱環境を改善し、冷房負荷を減らす。近年、この手法を使う建物が目に付く。反射性能が高いガラスや金属の素地材、高反射率塗料の活用は、その代表例だ。ガラスの多用など特徴ある意匠に対するニーズの根強さも相まって、こうした建物は今後も増えそうだ。
加えて、補助制度の拡充や電力の買い取り制度の強化などが、太陽光発電パネルの普及を後押しする。太陽光発電パネルには表面にガラスが載る製品が多い。ガラスは光の反射を招きやすい素材の一つだ。
採光の観点に目を転じると、昼光を利用するニーズが高まる気配だ。昼にブラインドなどの利用を控える開口部も増えるかもしれない。
光を反射させる建物と外の光を取り入れる建物とがそれぞれ増せば、反射光によるトラブルのリスクは高まるというわけだ。
反射光、太陽光発電、省エネ住宅、トラブル、ガラス、建材、塗料、CASBEE
国内ソーシャル3社に変調の兆し、事業モデルに弱点 (2/9)
2012年2月9日付 (2/8)
覚えきれないならメモやツールを賢く活用 (1/22)
組織超えた「情報共有」が鍵、高まるハッカー需要 (2011/12/21)
・TPP、日米が自動車でさや当て
・ナブテスコ、風車の方向制御システム
・VOYAGE、電子書籍事業に参入
・ミタル、今期の設備投資1割削減
・コニカミノルタセンシング、ブラジル市場開拓…続き