米Apple社が2010年4月に米国で発売した「iPad」が,「タブレット端末」という新たな市場を切り開いた。発売前には「タブレットという形状に決して目新しさはない。話題になることはあっても,それほど売れないだろう」との冷ややかな見方もあった。だが,フタを開けてみれば,出荷台数は発売後1カ月足らずで100万台を突破,80日で300万台以上を売り上げた。調査会社のディスプレイサーチは,iPadは2010年に世界で約970万台,そのうち日本で約46万台が販売されると予測している。
この勢いは2011年以降も止まりそうにない。図1は,ディスプレイサーチが予測するネットブックとタブレット端末の出荷台数の推移をグラフにしたものだ。2013年のタブレット端末の出荷台数は世界で約4500万台に達し,その時点でネットブックの出荷台数を追い抜く。
ディスプレイサーチの予測でさらに衝撃的なのは,2013年に出荷される約4500万台のタブレット端末のうち,実に約95%がiPad(もしくは後継製品)だとしている点だ。発売後,3年もたっているのにもかかわらずである。ただし,同社はこの予測に「競合他社がハード売りのビジネスモデルから脱却しない限り」との前提条件を付けている。
「ハード売り」,つまりハードウエア販売を中心とするビジネスモデルからの脱却とは何か。それこそが,iPadがいきなり大きな成功を収めた理由であり,競合他社がiPadに対抗するための重要なカギである。それは,言い換えれば「従来のパソコン業界のモデルとの決別」ということである。iPadは,パソコンではないが故に,これほどまでにブレークしたのだ。
本連載では,全6回の掲載を通じて,今後著しい成長が見込まれるタブレット端末市場で,メーカーがiPadに対抗していくにはどうすればいいかを考察していく。
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