米アップルが12日に全世界で始めた「iCloud」。ところが売り物であるはずの新たな音楽配信機能が日本では利用できない事態になっている。新サービスを使えばクラウドを通じて購入した楽曲をパソコンや音楽プレーヤーなど複数の端末に自動配信できるが、この仕組みについての契約を巡り、アップルと日本の音楽業界が合意に至っていないのが原因だ。同社は音楽のネット配信サービス「iTunes Store」でも、日本進出が米国より2年遅れた過去を持つ。背景にはアップルが楽曲の値決めをする「価格決定ポリシー」と、それに反発する音楽業界との深い溝がある。
そのデバイス(端末)で買った曲が一瞬であなたのほかのデバイスにもダウンロードされます――。今回問題になっている「iTunes in the Cloud」は、アップルがウェブサイトのiCloud紹介動画の冒頭でも登場する「目玉」のサービスだ。同社のコンテンツ配信サービス「iTunes Store」で音楽を購入すると、煩雑な操作なしで利用者の別の端末にもオンラインで自動的に楽曲が配信される。
ユーザーにとってiCloudサービス開始の意味は大きい。これまでパソコンに入っている音楽ソフトをタブレット端末「iPad」や音楽プレーヤー「iPod」、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone」などに移すには、各端末とパソコンをケーブルでつなぐ必要があった。クラウドを使えば複数端末間のデータ共有をケーブル接続なしで自動的に行える。
外出中などに携帯端末を使って聴くことの多い音楽データの共有は、まさにクラウドの特徴を最大限に生かした機能といえる。
アップル、iCloud、iTunes、JASRAC、グーグル
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