日本経済新聞

5月25日(金曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

コンテンツ一覧

村上憲郎のグローバル羅針盤

アップルの電子教科書が口火切る、「コンテンツ大競争」の号砲
村上憲郎のグローバル羅針盤(21)

(1/3ページ)
2012/1/24 7:00
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
この記事をはてなブックマークに追加
この記事をmixiチェックに追加
この記事をLinkedInに追加

 先週ほど潮流の速さを思い知らされたことはなかった。国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」(1月10―13日)の開催に合わせて、前回、前々回と、スマート・アプライアンス(家電)、なかでもスマートTVを巡る動向の的中ぶりを自画自賛していたら、アップルが19日にiPad向けの電子書籍閲覧アプリケーション「iBook2 for iPad」の提供を開始し、iPad向け電子書籍を作成するためのオーサリングツール「iBooks Author」もリリースした。今回はこの発表の持つ意味を、これまで私が羅針盤から見立ててきた航路に沿って解説してみたい。

村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長

1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。
画像の拡大

村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長

1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。

 この連載の第19回「日本の若き技術者たちよ、テレビを面白くせよ」で、スマートTVは生態系として捉えねばならないとして、以下のように述べた。

 「スマートTVについて考えるときは、レイヤーで考えなければならないということである。『レイヤー』というのは、地層のように重なった層のことである。『レイヤーで考える』というのは、どういうことかというと、スマートTVは何か単一の製品があるととらえるのではなく、様々な役割を持った経済主体で形成される生態系だと考えなければならない」

 「レイヤーは、下から『プラットフォーム・レイヤー』、『物理レイヤー』、『アプリケーション・レイヤー』、『コンテンツ・レイヤー』を想定しておけば、当面は十分である」

■新サービスを「アップルTV生態系」で考える

 さて、“アップルTV生態系”のプラットフォーム・レイヤーを担当するアップルが今回発表した「iBook2 for iPad」「iBooks Author」は、どのレイヤーに属するといえるのだろうか?結論だけいうと、「アプリケーション・レイヤー」に属するのである。

 と申し上げると、「なるほど、4つのレイヤーのうちのどれかと尋ねられれば、『アプリケーション・レイヤー』だろう。だって、どちらも『App Store』から、ダウンロードできるんだし。だが、ちょっと待って。『iBook2 for iPad』は、名前の通りiPadの上で動くアプリだし、『iBooks Author』は、Mac上で動作する。それがどうして、『アップルTVの生態系のアプリケーション・レイヤーに属する』などと言えるのか?」という当然の疑問の声が聞こえる。

 実際、「iBook2」は、iPadだけでなく、iPhone、iPod touchでも動作する。それよりも何よりも、そもそも、アップルTVについては、現行の「オモチャ版(故スティーブ・ジョブズ談)」でない、「本格版」の登場の時期が、「2012年半ばに発売」と噂されているにすぎないのだから。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
この記事をはてなブックマークに追加
この記事をmixiチェックに追加
この記事をLinkedInに追加
関連キーワード

iPad、CES、アップル、スマートTV、グーグル、LG電子、サムスン電子

アップルがiPad用電子書籍アプリ発表

CES2012、話題になったのは…

スマートTVの担い手は…

【PR】

【PR】

村上憲郎のグローバル羅針盤 一覧

村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長

1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。

「危機」を「好機」に、経済合理性の高い電力システムを目指せ

 東日本大震災と東京電力福島原子力発電所の事故に端を発する電力危機、特に今夏の電力需給の逼迫を巡るこのところの一連の議論の中で、ともすれば忘れ去られがちな極めて重要な点があるので、今回は、それへの注意…続き (5/22)

スマートTVで繁栄 「国際標準」はいらない

 「電力システム日本丸」の座礁を回避するための羅針盤の読みに忙殺されている間に、日本にとってもう一つの重要な船である「スマートテレビ(TV)日本丸」の進路が心配になってきたので、今回は、そちらの座礁を…続き (5/15)

米国ではスマートメーターの設置が進む(スマメを取り付ける電力会社の作業員、テキサス州)

電力システムを「もう1つのガラパゴス」にしてはならない

 この連載コラムの31回「『時代遅れ』の東電スマートメーター(スマメ)仕様、新たな電力システム構築に壁」(4月3日付)には、大きな反響があった。野党を含め各方面から「一体全体、何が進行中なのか、詳しく…続き (4/24)

新着記事一覧

【PR】

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

日本経済新聞の公式ページやアカウントをご利用ください。

日経・JBIC 5/21更新

344.9 ▼-30.0 単位:円/トン

買気配313.6 売気配376.3

日経産業新聞 ピックアップ2012年5月25日付

2012年5月25日付

・名門ハザマ、10年目の白旗
・「すみだ産」世界に挑む、ものづくり現場発~東京・墨田を行く
・スマホ向け定額音楽配信、聞き放題で利用者拡大
・ヤマハ発が200万人試乗会、インドネシアで二輪販促策
・カジタク、家事代行、大阪・仙台でも…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について