
インタビューに答える小柳栄次副所長
東日本大震災以降、災害用ロボットの重要性が増している。千葉工業大学未来ロボット技術研究センターなどが開発した災害用ロボット「クインス」は、東京電力が6月から福島第1原子力発電所建屋内の調査に使った。しかし先月、調査中に通信が途切れるアクシデントに見舞われ、調査活動は中断している。千葉工大は原発建屋内での使用を考慮した新型ロボットを開発済み。同大教授の小柳栄次副所長に故障の原因や新型ロボットなどについて聞いた。
――クインスとの通信が途切れた原因は。
「クインスは離れた場所にいる操縦士が端末を操作しているが、クインス本体と端末は長さが500メートルほどの有線ケーブルでつないでいる。このケーブルが切れてしまったのが原因だ」
「操縦士はケーブルを巻き取ったり繰り出したりしてクインスを走らせる。今回は操縦士が巻き取り用のモーターを作動させたままにしてしまい、ケーブルをきつく巻き込んでしまった。ほぐそうと操作してケーブルが切れ、操縦不能になった」
――クインスは現在も建屋内に置かれたままか。
「そうだ。通信が途切れた場所が建屋内の奥のため、作業員が直接回収することは簡単にはできない」
――事故後、建屋内投入までに2カ月以上を要した理由は何か。
「情報に齟齬(そご)があったことが理由の一つだ。事故後、我々はクインスを耐放射線仕様に仕上げるなど急いで準備を進め、なんとか投入にこぎ着けた。しかし、投入してみると、事前にもらっていた建屋内の図面と実際の構造が違っていた。例えば、図面には階段の幅は91センチとあったが、実際は71センチ。91センチを想定して作ったロボットだったため、登ることができなかった。同様に階段の傾斜角度も図面とは大きく異なっていた。現場に投入してみて初めて分かったことがいろいろとあり、そのたびにクインスの設計を変更して時間がかかった」
東京電力、千葉工業大学、福島第1原子力発電所、ロボット、アレバ
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