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世界最小の人工心臓 「実用化の壁」に挑む
産総研・三菱重工など開発

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2010/7/12 7:00
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 産業技術総合研究所、三菱重工業、ニプロ、国立循環器病研究センター研究所の共同チームが新型の補助人工心臓を開発、動物実験に取り組んでいる。大きさは単2電池1個程度で150グラムと世界最小・最軽量クラス。体重が15~30キログラム程度の小児や体の小さな患者が使うことを想定しており、実用化できれば患者にとって朗報となりそう。だが、実用化までには技術以外にも課題が多い。

単2電池大の大きさの超小型の補助人工心臓(産業技術総合研究所提供)
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単2電池大の大きさの超小型の補助人工心臓(産業技術総合研究所提供)

 補助人工心臓は患者の腹部に埋め込み、弱った心臓につないで全身に血液を送り出すのを助ける。欧米では膨張と収縮を繰り返す「拍動型」が普及しているが構造上、大きくなってしまう。重さも約800グラムに達し、日本人のように体の小さな患者には使いにくい。

 小型化を可能にしたのが、軸に取り付けた羽根車が回転して血液を送り出す「回転型」。世界で開発中の補助人工心臓の8割が回転型という。産総研や三菱重工などの共同チームが開発するのも回転型だ。ただ、回転型は血栓(血の塊)ができやすいとの指摘があり、素材や羽根車の形状などの研究が続いている。

 共同チームの人工心臓はチタン製で羽根車をねじのような形に工夫した。軸受けは形状に微細なくぼみを作り、血液が流れると局所的に圧力が高まるのを利用し、羽根車のついた回転体と接することなく回すことができ、血栓ができないようになっている。

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 産総研は6月から最長2年間の耐久試験を開始した。年内をメドに性能を評価する。一方、国立循環器病センターはウシに続きヤギを使って血流量の変化と安全性や有効性などを詳しく調べる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5年間で約5億円の予算をつけて、早期実用化に向けて支援していくことを決めた。

 人工心臓の開発は1930年代にさかのぼる。患者の心臓を取り出して置き換える全置換型から、弱った心臓を補う補助型へと移行。63年に米国で補助人工心臓が使われるようになり、改良が進められてきた。心臓移植を待つ間の“つなぎ”として使われるが、移植が必要な患者に対して臓器提供者が少なく移植件数は伸び悩んでいる。長期使用を目指した安全性の高い補助人工心臓の開発が急務になっている。

 日本企業もテルモとミスズ・サンメディカルHD(長野県諏訪市)がそれぞれ小型の補助人工心臓の開発を90年代初頭から進めており、厚生労働省に製造・販売の承認申請中だ。早ければ今年度中にも認められるところまでこぎ着けた。

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三菱重工業、ニプロ、NEDO、テルモ、国立循環器病センター、旭化成、ミスズ、人工心臓、新型、チタン、補助人工心臓、産業技術総合研究所、世界最小、厚生労働省、新エネルギー・産業技術総合開発機構

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