交流サイト(SNS)国内大手3社の成長の勢いに変調の兆しが出ている。株式市場はすでにそれを局面によって織り込んでいる。日本語市場の限界に加え、世界最大手の米フェイスブックに比べたビジネスモデルの弱点も背景に見え隠れする。
国内ソーシャルサイト大手3社の10~12月期業績が出そろった。グリーが営業利益を前年同期比3倍強に伸ばしたものの、ディー・エヌ・エー(DeNA)とミクシィはともに営業減益で、収益拡大にブレーキがかかった。株価は会員数が伸び悩むミクシィは長期ジリ安傾向。DeNAは昨夏をピークに、グリーは秋をピークに、それぞれ天井を打った。市場は3社の業容拡大の勢いに変調を来していることを敏感に感じ取っている。
ソーシャルサイト世界最大手フェイスブックは日本でも利用者急増が続いており、月間訪問者数でミクシィを抜き、登録会員数も500万人を超えたとみられる。米国では新規上場申請を米証券取引委員会(SEC)に提出。夏前には上場を果たし、大量の億万長者が誕生する。上場申請に伴って開示した資料を見ると、全世界の月間アクティブ利用者数が約8億5000万人に達した今も売上高、利益とも高速成長を維持している。
国内勢とフェイスブックとの勢いの差の最大の要因は、日本語圏に限られる国内勢の市場と中国など一部を除く全世界が相手のフェイスブックの市場の規模の差だろう。だが、国内勢のサービスとビジネスのモデルをみると、どうもそれだけではなさそうだ。
今もっとも市場が懸念しているのが、アイテム課金を絡めたゲームが収益の柱になっている点だ。ゲームを始めるのは無料だが、遊び進むにはどうしても有料アイテムを買いたくなる仕組みが標準になっている。しかも、買えるアイテムが自分で決められずクジ引きのような形で決まる方式のゲームが人気を集めており、その射幸性が問題視され始めている。未成年による大量のアイテム購入に対する懸念などが社会的に高まれば、未成年の利用に対してなんらかの制限をかけたり、人気の高いアイテムが当たる確率の設定の仕方に規制をかけたり、といった動きが浮上する可能性が想起される。
そもそもそのようなゲームで高収益を上げること自体、事業の倫理性という観点から持続可能性があるのか。企業収益の成長性と倫理性が両立できないビジネスモデルだと市場が判断すれば、株価はさらに調整を余儀なくされるだろう。
もう一つの問題はフェイスブックと比べたプラットフォームとしての強さだ。
ソーシャルサイト上で動くサービスやゲームなどのソーシャル・アプリを作る米系開発企業のトップが最近、吐き捨てるように言った。「日本のソーシャルサイトは3社ともあまりにコントロールがきつく、コストが高い。自由なフェイスブックに比べて、開発する意欲がわかない」――。
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