ドイツのベアリング大手シェフラーグループは2008年7月、同国のタイヤ・部品大手コンチネンタルに資本参加し、両社連合で自動車部品の世界上位に名乗りを上げた。しかし、その直後に経済危機による新車販売の急減に見舞われる。それから約2年。自動車部品の新連合はようやく未来を見据え始めた。
「感銘深いカムバックだわ」。シェフラーの女性オーナー、マリア・エリザベート・シェフラー氏はドイツの週刊誌で経営危機を脱したと宣言。「1セント(1ユーロの100分の1)の公的資金も注入されていないのだから」と付け加えた。
マリア氏のカムバック宣言は、直近の業績回復に気をよくしたものだろう。9月に発表した2010年1~6月期決算は、売上高が前年同期比31%増の約46億ユーロ(約5000億円)、営業利益は7億3900万ユーロと7倍近くになった。
マリア氏自身も「金融危機と景気後退は計算外だった」と認めるが、それは自らの経営戦略があまりに強気だったために招いた危機だったといえる。
ドイツ南部のヘルツォーゲンアウラッハを本拠地とするシェフラーは、傘下に「INA」などのブランドを持ち、スウェーデンのSKFなどとともにベアリング(軸受け)の世界では知られた存在だ。シェフラー家の兄弟が第2次世界大戦の終戦直後に起業し、非上場でシェアを高めてきた堅実な会社だった。
そのイメージががらりと変わったのは、兄弟の死後、弟の夫人であるマリア氏が主導した買収戦略だ。その最大の買い物が売り上げ規模でシェフラーの3倍といわれたコンチネンタルの買収だった。
コンチネンタルはこの時期、2兆円近い資金を投じて総合電機大手シーメンスの自動車部品部門を買収。ボッシュとともにドイツを代表する自動車部品メーカーとして台頭し始めていた。
シェフラーは、反発するコンチネンタルに敵対的買収をかける。「小が大を食う」買収は成功するかに見えたが、TOB(株式公開買い付け)期限の間際にリーマン・ブラザーズが破綻した。
その後の経済危機で主要な自動車メーカーは大幅に減産、自動車部品メーカーの経営破綻も相次いだ。シェフラーも受注減と株価下落で高値づかみしたコンチネンタル株の買い取り資金の手当てに苦しみ、マリア氏は追い詰められた。
自動車部品、ベアリング、ボッシュ、シーメンス、株式公開買い付け
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