パソコン基本ソフト(OS)で実質的独占を築いたマイクロソフト(MS)を「悪」に見立て、「悪にならない」ことを社是に掲げてきたグーグルの行動様式が、結果的にMSに似通ってきていると感じるのは筆者だけだろうか。

米カリフォルニア州にあるグーグルの本社(AP)
過去5年、グーグルが新規に参入してきた市場を羅列してみよう。ウェブメール、ワープロ、表計算、プレゼン用スライド、スケジュール管理グループウエア、動画配信、地図ソフト、翻訳・辞書、携帯端末OS、パソコン用ブラウザー、パソコンOS・・・。
すべての分野で検索機能が有効で、検索技術の利便性をあらゆるネット利用者に届ける試みという点では、「世界中の情報を整理し、アクセス可能にする」という企業ミッションをまさに地で行っている。しかしそれぞれの市場には既存企業がおり、それなりの雇用を生み、ビジネスモデルを築いてきた。グーグルはそれらの市場に検索との連動性と「フリー(無料)」を売り物に土足で踏み込んでいるのもまた事実だ。ワープロや表計算、グループウエアなど、それぞれ独立したプレーヤーがそれなりの市場を築いてきたソフトウエアの各分野に、資本・開発力とOSとの連動性を武器に次々に乗り込んでいった80~90年代のMSと驚くほど似た展開だ。
特にこの1~2年は企業買収攻勢が加速し、「あれもこれもやりたがる」傾向に拍車がかかっている。この7月だけでも、トピック別データベースをネット上で運営する米メタウェブと、航空会社やネット旅行予約サイトの情報基盤となっている航空運行情報ソフト会社ITAを買収した。それ以前にも、ネット広告の米インバイト・メディア、ネット音楽共有ソフトの英シンプリファイ・メディア、音声・映像ネット処理のグローバルIPソリューションズなど、今年に入ってから10件以上の買収を決めている。
2009年はスマートフォン向け広告配信最大手のアドモブの買収決定が大きな話題を呼んだ。同社はアップルのスマートフォン「iPhone」アプリ向け広告配信のパイオニア。グーグルによる買収は、グーグル対アップルの敵対関係を確定付けた。そのほかにも動画圧縮技術のOn2など、昨年も6社を買収した。
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