ベンチャーが繰り出す新サービスが大手を凌駕(りょうが)するなど、新陳代謝が激しいインターネット業界。ベンチャーは既存大手をどう超えるのか。市場急拡大が続くクーポン共同購入サービス最大手の米グルーポン(シカゴ)創業者で最高経営責任者(CEO)のアンドリュー・メイソン氏に聞いた。

米グルーポン創業者で最高経営責任者(CEO)のアンドリュー・メイソン氏
――クーポン券や商品券を時間や地域、人数限定で安価にネット販売するサービスで急成長を遂げている。
「グルーポンのサービス開始は2008年11月。現在は世界29カ国、200都市以上でサービスを展開中だ。今月には、日本の同業のクーポッド(東京・渋谷)の株式の過半を取得して日本参入も果たした。社員数は世界で約2千人だ」
「グルーポンからクーポン情報のメールを受け取っているサービス利用者は1500万人。一週間に会員数を100万人ずつ増やしている。これまで1千万件以上のクーポンを販売した」
――通期売上高は、3億ドルから5億ドルに達するとの報道がある。
「具体的な数字は公表できないが、その数字は大それた推測ではない。事業は黒字化しており急成長が続いている」
――中長期的な事業ビジョンは。
「(ネット通販最大手の)アマゾン・ドット・コムは、ネットの力を使って人がモノを買う方法を根底から変えた。我々は、人々が『街』とかかわり合う方法をネットを使って変えたい。レストランや店舗など地域に根付いたビジネスの有益な情報を効果的にその街の住民に届けることで、人々が家から飛び出して街を楽しむためのきっかけになりたい」
――日本ではリクルートがクーポン事業に参入した。米グーグルなども含め、グルーポンのようなベンチャーが大手企業にどう対抗するのか。
「すべての大手企業には守るべき既存事業があり、新規事業がうまくいかなければそれを廃止する余裕もある。我々のようなベンチャーには新規事業しか無く、ベンチャーは同事業の成長のために人材や資本など経営資源のすべてをつぎ込む。大手やライバルよりも早く事業展開し、成長のためにあらゆる可能性を探ることで、ベンチャーでも大手を上回るサービスが展開できる」
(聞き手は産業部 田中暁人)
インターネット業界の覇権を巡る新旧世代の攻防の行方は――。日経産業新聞では2010年8月30日付から1面連載「ネットのチカラ」の第2部「覇権攻防」を掲載しています。
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