旧国鉄時代の1962年から開発が続いている時速500キロメートル超で走る超電導リニアモーターカーの商業運転がようやく現実味を帯びてきた。JR東海は2027年に東京・名古屋間で営業を始める計画を明らかにしている。その一方で国土交通省はリニアの海外への売り込みを後押しし、国内より早く米国で開通する可能性もでてきた。日本の巨大な輸出産業に育つかもしれない。
「入所時に『実用化は10年後』と言われたが、何年たっても実用化は10年後と言われ続けた。JR東海が27年と決めて初めて目標が明確になった」。鉄道総合技術研究所の浮上式鉄道技術研究部で低温システムを研究する長嶋賢室長の表情は明るい。
鉄道総研は旧国鉄の鉄道技術研究所時代から超電導リニアの開発を進めてきた。宮崎県に続いて97年から山梨県の実験センターで延べ75.5万キロメートル以上走行し、14.6万人以上が試乗した。現在はJR東海と鉄道総研が共同で技術開発を続けている。
09年7月28日、超電導リニアは、国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会で「今後詳細な営業線仕様及び技術基準等の策定を具体的に進めることが可能」(抜粋)というお墨付きを受けた。
JR東海は1月25日、海外での事業も展開する方針を表明した。同社は米国のコンサルタント会社2社と提携。既存の新幹線、新開発の超電導リニアそれぞれについて、米国をはじめとする海外での市場開拓を目指している。
世界の高速鉄道事業の受注競争に乗り遅れまいと、4月末には前原誠司国土交通相が訪米。R・ラフード運輸長官らと会談し、日本の新幹線と超電導リニアの採用を勧めた。翌月にはラフード長官が来日し、実際にリニアに試乗している。
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