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製品の明暗分けるサービス力
産業部編集委員 水野裕司

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2010/7/27 7:00
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 ハード(機器)を作って売るだけの事業から抜け出し、ソフト・サービス面にも知恵を絞って独自のビジネスモデルを築けた企業は、やはり競争優位に立てる。帝人グループが本格的に取り組み始めた在宅医療サービスの海外展開をみると、そんな印象を強くする。

帝人の携帯用軽量酸素ボンベ「ライトテック」
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帝人の携帯用軽量酸素ボンベ「ライトテック」

 帝人が国内で在宅医療サービスを始めたのは1982年。医薬医療部門を担う子会社の帝人ファーマが、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)など呼吸器疾患の患者向けに、酸素濃縮装置や酸素ボンベなどの酸素療法機器を医療機関を通じて提供している。

 機器を開発・製造する技術と、患者宅に出向いてのサービス体制の両方を備えていることが帝人の在宅医療事業の特徴だ。患者にいかに「安心・安全」を提供できるかが問われるため、とりわけサービス体制の充実に力を入れている。

 たとえば、(1)機器が順調に動いているかどうかを24時間体制で遠隔監視(2)何か異常が起こったら、すみやかに担当者が駆けつける(3)地震や台風などの災害で停電が起こり、機器が動かなくなる恐れが出た場合も同様に直ちに対応する――などだ。もちろん、患者が退院して在宅での治療に切り替える際には、患者が習熟するまで機器の使い方を手ほどきする。酸素がなくなるころに、取り換えに訪問し、機器を点検するために定期的に患者宅を巡回する。こうしたきめ細かなサービスが、帝人の在宅医療サービスの付加価値の源泉といえる。

帝人の在宅医療事業の歩み
1982年在宅酸素療法サービスを開始
1985年在宅酸素療法に健康保険が適用される
1993年帝人在宅医療中部、帝人在宅医療西日本を設立
1994年帝人在宅医療東日本、帝人在宅医療東京、帝人在宅医療関西を設立
1997年帝人在宅医療九州を設立
1999年訪問看護ステーション開設
2000年ジャパンケアサービスと業務提携
2006年6販社を合併、帝人在宅医療を設立
韓国YUYU INC.と合弁で酸素濃縮器販売会社を設立
2008年米アソシエイテッド・ヘルスケア・システムズを買収
米ブレイデン・パートナーズを買収
米ホーム・セラピー・イクイップメントを買収
2009年スペインのラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベと合弁で呼吸器系在宅医療事業の欧州統括会社を設立

 こうした厚みのあるサービス体制が、海外展開でも強みになっている。帝人は国内では先発企業だけあって、在宅酸素療法サービスで現在6割のシェアを握るといわれる。2006年に酸素濃縮器販売の合弁会社を設立して参入した韓国市場でも、4割のシェアを獲得したとみられている。現地の医療機関とのパイプを築きながら、帝人のサービス体制を、韓国での在宅医療の標準モデルに育てつつあるようだ。

 欧米市場の開拓も帝人は一歩一歩進めている。欧州ではスペインに09年、現地の製薬会社、ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベと合弁会社を設立した。合弁会社は呼吸器系在宅医療事業の欧州展開を統括する。まずスペイン市場の開拓に重点をおいており、カタルーニャ州では需要の4割に相当する事業を落札した。

 欧州での在宅酸素療法は、工業用や医療用のガス製造会社が在宅サービスも展開する例が一般的だ。きめ細かなサービス体制が組めるかというと、なかなか難しく、帝人のビジネスモデルは有利だ。今後、スペインの他地域でも在宅医療機器などの入札が相次ぐ。帝人の合弁会社はカタルーニャ州に続く受注獲得をめざしている。

 米国では、帝人は08年に、在宅医療機器を販売、レンタルするアソシエイテッド・ヘルスケア・システムズなど3社を買収。米国は在宅酸素療法の患者が100万~150万人といわれ、患者数も市場規模も日本の10倍とされる。この世界最大市場を攻略する基盤を3社の買収によって固めた形だ。

 米国市場では、機器を製造販売する企業と、在宅サービスの事業者が別々になっている。在宅サービス事業者は全米で2000社にのぼるといわれる。

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帝人、帝人ファーマ、在宅医療、COPD、酸素療法機器、韓国電力公社、韓国科学技術院

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