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“空の温暖化”商機に IHIの航空機エンジン
編集委員 水野裕司

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2010/8/30 7:00
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 国境を越えて行き来する国際海運や航空機の国際線からの二酸化炭素(CO2)排出は、どこの国から出されたとは特定できないため、温暖化ガス排出削減の国際的枠組みを決めた京都議定書の対象外になっている。しかし、船舶や航空機から出るCO2は、地球温暖化への影響を考えると無視できない量だ。

燃費を15%向上させた航空機エンジン「GEnx」
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燃費を15%向上させた航空機エンジン「GEnx」

 国際海運からのCO2排出量は世界全体の3%にあたり、ほぼドイツ1国並み。新興国の経済成長やグローバル化の進展で荷動きはますます活発になり、排出される温暖化ガスは今後も増える。国際航空からのCO2排出も同様に今後増加が見込まれる。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書「航空機と地球大気」によれば、1992年時点では世界のCO2排出の2%だったが、2050年までに排出量は3倍になり世界の3%を占めるとの予測もある。

 国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会は国際海運の温暖化ガス排出削減策をすでに決めている。新しく建造する船舶については、1トンの貨物を1マイル運ぶ際に出るCO2に指標を設け、基準を満たす設計とするよう各国に求めるなどだ。

 国際航空も航空機メーカー、航空会社や空港運営会社がCO2削減の自主計画をつくる動きがある。国際航空のCO2排出規制は昨年末にデンマークで開かれた第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)では具体化が見送られたが、欧州連合(EU)は導入に積極的だ。

 こうしたCO2排出抑制への国際的要請は環境技術に強い日本の船舶、航空機メーカーや関連部品メーカーにとって好機だ。船舶は「太陽電池船」や、海水との摩擦抵抗を抑えエネルギー効率を上げた船体などの技術開発が進む。航空機もエンジンの燃費改善などで日本メーカーが実績をあげている。

 そのなかでIHIが国際共同開発・生産に参加する新型ジェットエンジン「GEnx」の例をみてみよう。

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)の次世代中型機用エンジン、GEnxは航空機エンジンとしては中大型の部類に入り、米ボーイングの旅客機「B767」搭載のエンジンに比べて燃費を15%向上させた。GEは今年6月現在で、世界の航空会社から533機、計1336基を受注済み。ボーイングの次期主力旅客機「B787」向けでは6割のシェアを獲得しているという。

 GEnxプロジェクトでのIHIの開発分担割合は15%。ファンを回転させて機体を推進させるための力をつくり出す低圧タービンモジュールの開発・生産を担う。また、航行中にエンジンに取り入れた空気の密度を高め、燃焼効率を上げて高圧・低圧タービンに伝える力を大幅に強める高圧圧縮機の部品も製造する。

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