入れ歯などに頼っていた歯の治療も変貌しそうだ。「歯が抜けても平気な時代がやってくる」と話すのは東京理科大学の辻孝教授。大塚ホールディングスグループと組み、歯そのものの再生に取り組む。マウス段階だが、体内で歯を作り歯茎に移植して定着させた。
この方法なら比較的短い時間でかむ力に耐える強い歯が再生できる。人に応用すれば、歯科医師らが推奨する「80歳で自分の歯を20本以上保つ」どころか、すべて自分の歯で硬いものも毎日食べられる生活が送れるかもしれない。
■読書できる視力の回復目指す
一方、目の機能回復には日本が磨いてきた半導体技術が生かされている。奈良先端科学技術大学院大学の太田淳教授と大阪大学のチームは、半導体を組み込んだ小型チップの人工視覚装置を試作、ウサギなどに移植し効果を確認している。
この装置は数ミリメートル四方の曲がる基板上に0.5ミリメートル四方の電極を9個載せた構造。電極が光を受けると電気信号で網膜を刺激し、視覚を再現する。「読書ができるまでに視力を回復させたい」と話す太田教授は、広い視野実現につながる電極1000個の基板作製を次の目標に掲げている。
エレクトロニクス企業も力を注ぐ。パナソニックは難聴者の聴覚特性に合わせ、補聴器の音量や周波数を調節できる技術を開発した。補聴器の音量を正確に調整するには、難聴者の許容できる音量の上限値を測定する必要がある。これは難聴者に不快な大きな音を出して測定していたため、ストレスが大きかった。
新技術では、電車内の騒音程度の音量で測定可能だ。同社は臨床試験を重ね15年に音量自動調整システムとして実用化を目指す。
11年度の介護サービスの利用者数は、在宅介護が1日当たり304万人、施設介護が同123万人。団塊の世代全員が75歳以上になる25年度にはともに約1.5倍に跳ね上がると国は予想している。再生医療技術で健康な体を保つことができれば、働く高齢者が増え、要介護者数や費用負担も減る。社会全体が活性化する期待も膨らむ。
(吉野真由美、松田省吾、根本舞、上月直之)
[日経産業新聞2012年1月5日付]
山中伸弥、伊藤寿一、再生医療、iPS細胞、入れ歯、太田淳、パナソニック、大塚ホールディングス
太陽光や風力発電は天候の影響が大きく、稼働率が不安定となる。電気の安定供給に欠かせない出力が一定となる未来の電源は何か。有望視されてきたのが、設備利用率が高い海洋エネルギーや地熱だ。深海に潜り、地中…続き (5/24)
次世代スマホ、処理量に応じ賢くCPU使い分け (5/25)
ホンダジェットを生み出す独創拠点「R&Dセンター」 (5/23)
福島で「消費者から信頼されるコメ」を (5/23)
NEC、バッテリー内蔵型のデスクトップ節電PCを発売 (5/24)
電力不足下の節電、調達技術の活用で企業を支援 (5/22)
気候変動への適応策、急務 農業・衛生など影響 (5/23)
2012年5月25日付 (5/24)
2国間の安全保障問題を乗り越える 中国華為が米で攻勢 (5/24)
海洋・地熱エネルギー、古くて新しい電源 (5/24)
ヒトゲノム1000ドル革命 解読1日で (5/23)
各種サービスの説明をご覧ください。
・名門ハザマ、10年目の白旗
・「すみだ産」世界に挑む、ものづくり現場発~東京・墨田を行く
・スマホ向け定額音楽配信、聞き放題で利用者拡大
・ヤマハ発が200万人試乗会、インドネシアで二輪販促策
・カジタク、家事代行、大阪・仙台でも…続き