業界推定によると約1000点ある部材のうち4割程度が日本製とみられる。代替のきかない主要部材でみると、日本勢への依存度は5~6割に達している可能性が高い。スマホで潤う長者企業が続々誕生している。
■タツタ、電磁波の干渉防止フィルム
ものづくりの街、大阪府東大阪市に拠点を構えるタツタ電線もその一つ。端末のフレキシブルプリント基板に張る「電磁波シールドフィルム」で世界シェア8割強を押さえる。スマホは通信機能を備えたパソコンに近く、部品の大半はパソコンに搭載されているものの軽薄短小版だ。みっちり詰め込むため、部品が干渉し合わないよう電磁波対策が欠かせない。
タツタのフィルムは部品の大きさや形状を選ばず、基板に貼るだけでよい。電線で培った銅と樹脂の配合技術を発展させて開発。今年4月に京都府福知山市の工場で新設備を稼働させるなど、増産対応に追われている。同フィルムを原動力に、電子材料の11年3月期売り上げは100億円強(全体の4分の1)と前の期から62%伸びた。
第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストの試算によると、国内でのスマホの経済効果は部材やソフトなども含めると2010年度で約5000億円。11年度は1兆円規模まで膨らむという。これほどのスピードで立ち上がる製品は例がないだけに、すそ野産業の広がりようも急ピッチだ。
回路基板に入る極薄電解銅箔の三井金属、カメラなど電子部品用のパッケージを供給する京セラ。いずれもスマホ向けで世界シェアの大半を握る巨人たちだ。
■三井金属や京セラ、小型化に貢献
三井金属は銅箔を5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下まで薄くする技術で先頭を走る。10年度の極薄電解銅箔の販売量は09年度に比べて4割の伸び。これがけん引し、銅箔事業の10年度の売上高は前年度比32%増の600億円、経常利益は同24%増の73億円となった。
京セラは電子部品を弁当箱のように包み込んで保護し、基板に配線するセラミックパッケージで圧倒的な強さを見せている。「電子部品を限りなく薄型化しながら機能を最大限発揮させる」。山口悟郎取締役はパッケージの役割をこう表現する。カメラの目となるCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー用で厚さ約0.3ミリメートルと従来の樹脂製の半分近い薄型化を実現し、「最新のスマホのほとんどに採用されている」(山口取締役)。
セラミックは焼成前は粘土のように柔らかく、樹脂や金属に比べて微細かつ複雑な加工に優れる。周波数の制御などに使う水晶振動子用などのパッケージでも気密性や剛性が評価され、世界の7~8割のシェアを握っているとみられる。
■中小企業も活躍
サプライチェーンの担い手は大企業だけではない。小さな巨人の技術も光る。1936年設立の鈴寅(愛知県蒲郡市、鈴木隆啓社長)。自動車向け座席シートの裏地やカーテンを手がける織物メーカーだ。年間売上高は40億円強だが、タッチパネルの基幹部材であるITO(酸化インジウムすず)フィルムで世界シェアの1割を占める。
スマートフォン、グーグル、アップル、iPhone
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