米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の販売で、ソフトバンクの優勢が鮮明になっている。2011年10月14日に発売した最新モデル「4S」からKDDI(au)も取り扱いを始めたが、販売数量で着実にリードを続けている。ひとまずは当面の「難関」をクリアした形だが、次なるターゲットは総務省が今年2月にも携帯事業者に割り当てる新周波数帯の行方だ。ソフトバンクの今後の「命運」を左右すると言っても過言ではない。
「そりゃ必死ですよ。auからはこの何年、相当な顧客をもらったから。auに戻る可能性が怖かった」。ソフトバンクのある幹部は打ち明ける。全国家電量販店の販売動向を調査しているBCN(東京・千代田)によると、昨年11月の4Sの事業者別シェアはソフトバンクが66.4%、auが33.6%だった。ヨドバシカメラがホームページ上に公開する1月11日時点の4Sの在庫状況でもソフトバンクのモデルは「ご予約受付中」の表示が多く、auの方が少ない。
ソフトバンクは当初「100万人規模のiPhoneユーザーが解約してもおかしくないと思った」(孫正義社長)と警戒したが、蓋を開ければ過去最高の予約数を記録した。優勢に至った要因はいくつかある。
1つはau版との機能の差だ。通話中にデータ通信が可能で、メールの即時受信、テレビ電話「フェイスタイム」が使えるなどソフトバンク版の機能充実が目立つ。通信速度(規格値)でもソフトバンク版が上回る。発売前後から「徐々に機能の違いが伝わり、販売動向に反映されてきた」(ソフトバンク幹部)。
「570円の差」も料金に敏感な利用者の心をつかんだ。ソフトバンク版の月額データ通信料金が4410円に対し、au版は4980円。ソフトバンクはライバルが思い切った料金設定を打ち出してくるか戦々恐々としたが、auは米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載のスマホ(同5460円)との兼ね合いなどから微妙な着地点になった感がある。
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