米ソフト大手のアドビシステムズは、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けに動画などのコンテンツを作れるツールの開発を断念した。アイフォーンや多機能端末「iPad(アイパッド)」では、同社の再生ソフト「フラッシュ」機能を利用することができない。なぜ、アドビはアップルとの関係がこじれたのか。アドビのシャンタヌ・ナラヤン社長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

アドビCEOのシャンタヌ・ナラヤン氏
――アドビは創業時からアップルと緊密に連携し、互いに利益を得てきたはずだ。だがアイフォーンの発売以降、関係は悪化し、アップルはフラッシュやフラッシュ技術を利用したソフトの搭載を拒んでいる。ここまで不仲になったのはなぜか。
「アドビは長い歴史のなかで、技術系の企業とときに協業し、ときに対立したこともある。アップルもそうだし、米マイクロソフトもそうだ」
「我々技術系企業は、『ビジョン』という名のレンズを通じ、顧客にイノベーション(革新)を提供したいと考えている。その上で、株主にも価値を還元する必要がある」
「我々のビジョンは、機器、基本ソフト(OS)、画面の違いを超えて、顧客がコンテンツを配信できるようにすることだ。このビジョンが他社のビジョンと衝突することは当然あり得る」
――アップルはアドビ以外のソフトを使って動画再生ができるようにしている。アドビ側にも対応ソフトを開発するなどの対策があったはずだ。もうアップルを説得することはあきらめたのか。
「(アップルとアドビが)互いに衝突し合う時期は終わったと考えている。今は、我々と協業したいというパートナー企業と手を取り合い、顧客にイノベーションをもたらすことに集中したい」
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