KDDI、ソフトバンクモバイル、NTTドコモの携帯電話3社が17、18日、2010年夏モデルの新製品を発表した。各社ともスマートフォンの主な新機種をすでに発表済みで、いわゆる普通の携帯電話が中心。見どころはどこにあるのか。まずはKDDIからチェックしていこう。
KDDI夏モデルのコンセプトは「基本機能の使い勝手強化」だ。特に、全機種で防水性能を取り入れた点が注目される。上位モデルだけでなく、従来は難しかったスライド端末でも防水化を実現している。前モデルより本体サイズが大きくなることもなく、KDDIでは防水が標準機能になろうとしている。
もう1つ、KDDIがこだわったポイントはメールの操作性だ。特に「Beskey」(日立コンシューマエレクトロニクス製)は、本体のキー部分が取り外しできるようになっており、自分の文字入力スタイルに合わせて3タイプから選べる機構を取り入れた。キーを一つ一つ決め打ちする人は「フロートキー」、両手で文字を打つ人は「ウォータードロップキー」、キーの上を指を滑らせて打つ人は「ウェーブキー」と、簡単に載せ替えることができる。
実際に3つをそれぞれ打ち込んでみたが、自分のスタイルに合うタイプを使ってみると、確かに打ちやすい。メールを頻繁に入力する若い女性などにはとても受け入れられやすいモデルに仕上がっているといえそうだ。
不評だった「KCP+」
ここ数年、あまり元気の感じられないKDDIだが、振り返ると「つまづき」のきっかけは、新しい携帯電話のプラットフォームとして導入した「KCP+」だったような気がする。東芝とソニー・エリクソンの新機種でまず採用したのだが、あまりに反応速度が鈍く完成度も低かったため、何度もアップデートを繰り返すことになり、過去に例を見ない「失敗作」と言われた。
その後も、ウィジェットなどの決して便利とは言えない機能が操作性の足を引っ張り、あまりいい評価が与えられなかった。いつしかKCP+はKDDIの否定的なイメージを象徴する代名詞となってしまった。
そんなKCP+が今回の新製品で「KCP3.0」へとバージョンを上げた。しかも「S004」(ソニー・エリクソン製)、「T004」(東芝製)はスマートフォンで使われている米クアルコム社製の「スナップドラゴン」というCPUを採用し、KCP3.0との組み合わせで処理速度を大幅に向上させ、快適な操作感を実現した。実際に触ってみると、本当にサクサクとメニューの切り替えなどができるようになっている。
KDDIは今年の年末モデルで「マルチキャリア rev.A」と呼ばれる高速化規格の導入を予定している。KCP3.0はそのマルチキャリア rev.A、さらには2012年にもスタートする次世代携帯電話規格の「LTE」に向けたプラットフォームとして今後も進化していくことになる。
スナップドラゴンの弱点
高機能なスマートフォン向けのCPUを一般の携帯電話に導入すると聞くと、「なぜそんなに高速処理が必要なのか」「コストは上がってしまわないのか」という疑問がわく。しかし、「マルチキャリアrev.AをサポートするCPUの選択肢は少なく、スナップドラゴンを選ぶのが自然な流れ。しかもスナップドラゴンは世界的に流通するスマートフォンに採用されて量産効果が上がっており、決して高い部材ではない。これまでKDDIの端末がメーンで使っていたMSM7500というチップと比べてもコスト面で大きな差はない」(KDDI関係者)という。
スナップドラゴン搭載のスマートフォンはバッテリーの消耗が激しく、今回KDDIが採用した機種も、そのあたりはやや不安が残るところだ。実際に使ってみると快適なので、処理速度を優先させて選ぶかバッテリー寿命を重視するかは悩ましいところだ。
S004とT004は、「au Wi-Fi WINカード」に対応したことも特徴の1つだ。両機種の本体には無線LAN通信のWi-Fi機能は備わっていないが、Wi-Fiチップを内蔵したmicroSD形式の無線LANカードを挿入することでWi-Fiに接続できるようになる。カードの価格は4200円。無線LANであるためEZwebなどのサービスもパケット通信料金なしで利用できる。
ただし、microSDスロットにカードを挿すため、メモリーカードが使えなくなってしまうという欠点がある。無線LAN接続で大容量コンテンツが楽しめる環境が整う半面、それを保存するメモリー部分がなくなるというのは、なんともちぐはぐな感が否めない。両機種とも本体には800MB程度のデータフォルダー容量を備えているが、もう少し工夫がほしかったところだ。
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