アップルの「iPhone」とグーグルの「Android(アンドロイド)」が競うスマートフォン市場の舞台裏で、もう1つの覇権争いが激しくなっている。スマートフォン向けゲームの基盤となる「ゲームエンジン」を専門とする米企業2社の競争だ。2月28日から米サンフランシスコで始まるゲーム業界の国際会議「ゲーム開発者会議(GDC)」でも注目が集まることは間違いない。
ゲームエンジンとは、長時間にわたる1本のゲームのなかで共通する要素のプログラムを集約したソフトウエア基盤のこと。多くのゲーム会社は、専門企業が開発・販売するゲームエンジンを使うことで、高度なゲームを開発したりコスト削減に結びつけたりしている。
スマートフォン向けのゲームエンジンでしのぎを削るのは、既存の大型ゲームで実績のある米Epic Gamesと、新興企業の米Unity Technologiesの2社だ。ともにiPhoneや「iPad」での成果をアピールしつつ、アンドロイド端末への進出を本格化させようとしている。
■高評価を得た「Infinite Blade」
Epic Gamesが昨年12月にiPhoneとiPad向けにリリースしたアクションゲーム「Infinite Blade」はゲーム業界に驚きを持って迎えられた。同社の主力ゲームエンジン「Unreal Engine3」をベースとした開発環境「Unreal Development Kit(UDK)」により、iPhone向けでも質の高いゲームが開発できることを証明したためだ。
UDKは元々、「Xbox360」や「プレイステーション3(PS3)」といった高性能な家庭用ゲーム機向けゲーム用のエンジンで、「ギアーズ・オブ・ウォー」シリーズをはじめ数々の採用実績がある。しかし、それをダウンスケールしてスマートフォン向けバージョンを開発するのは容易ではないと見られていた。
Epic Gamesは2010年3月のゲーム開発者会議でiPhone向けバージョンの開発を発表したが、内容はあまりぱっとしたものではなかった。デモンストレーションではゲームが実際に動作するか判断が付かず、参加したゲーム開発者の評価もかんばしくなかった。また、UDKのライセンス料は1タイトルにつき70万ドル以上と高額だが、iPhone向けのライセンス料をいくらに設定するかについても一切言及されなかった。
■ゲームエンジンの価格破壊起こしたUnity
その間隙を縫って先行したのが、Unity Technologiesのゲームエンジン「Unity」だ。07年のiPhone発売以来、大手企業から独立系中小、個人まで幅広いゲーム開発者の支持を集め、スマートフォン向けゲームエンジンとして急成長してきた。
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