千葉県立袖ケ浦高等学校は、2011年度に新設した情報コミュニケーション科で、米アップルのタブレット「iPad2」の利用を前提に授業をしている。教室には無線LAN(Wi-Fi)環境と電子黒板を配備し、同科の生徒40人全員はiPad2を片手に授業を受ける。公立高校が授業でiPad2を本格的に導入するのは全国で初めてという。同校の取り組みから、教育の電子化の可能性がいくつも見えてきた。
■50分の授業で素材撮影から編集、プレゼンまで
「生徒全員にiPad2を自費で購入してもらったのですが、『高い』『買いたくない』という反対の声は1件もありませんでした」(情報コミュニケーション科の永野直教諭)。iPad2の採用にあたって学校側は、まず本体の容量や第3世代携帯電話(3G)回線の有無について説明。生徒が自費で買うという事情から、どのモデルを購入するかは各家庭に判断を委ねた。結果は「40人のうちWi-Fiだけのモデルが39人、3G+Wi-Fiを選んだのは1人でした」(永野教諭)という。
iPad2が日本で発売されたのは4月末のことだが、生徒の手に渡ったのは6月に入ってからだった。そのあとは、積極的に授業だけでなく普段の校内活動でも活用している。
たとえば生物の授業。生徒がまず開くのはiPad2に保存してある電子化された資料だ。その日の授業では、種子植物の生殖過程を顕微鏡で観察するという内容。生徒たちは変化の様子をiPad2のカメラレンズを顕微鏡の接眼レンズに当てて撮影する。撮影した画像データはiPad2内のプレゼンテーションソフト「Keynote」で、その場でリポートにまとめていく。撮影時にピントが合わずに苦労した生徒が多かったようだが、それでも実にスムーズな流れで授業が進んでいった。
きれいに撮影ができ、プレゼンテーションソフトにまとめられた生徒が、先生に呼ばれて前に出た。生徒はiPad2を電子黒板にケーブルで接続し、まとめたばかりの資料を表示しながら、ほかの生徒に説明をする。この間かかったのは、普通の授業時間にあたるわずか50分間。「いままでのやり方で、50分でここまでやるのは不可能だった。カメラを内蔵しコンテンツ編集機能が備わっているデバイスだからこそ実現した」(永野教諭)。
iPad2、Google Earth、アップル、Twitter、グーグル
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