
AQインタラクティブが運営するゲーム「ブラウザ三国志」のトップページ画面
専用ソフトをダウンロードする必要がなくブラウザーだけで遊べるオンラインゲーム「ブラウザ三国志」がヒットしている。「いずれブラウザーゲームが人気になると思って開発していたら、時代の流れが追いついてきた」――。開発会社ONE-UPの椎葉忠志社長は8月26日、経済産業省関東経済局が開いたセミナーで開発の経緯などを語った。
ブラウザ三国志はONE-UPが開発し、ゲーム開発・販売会社のAQインタラクティブが運営するオンラインのシミュレーションゲームだ。2009年4月にベータ版サービスを開始し、09年7月に正式課金サービスに移行した。基本プレーは無料で、ゲームの鍵を握る武将カードなどを有料で販売するアイテム課金モデルを取っている。
歴史をテーマにしたシミュレーションゲームは数多くあるが、最大の特徴は特定のハードやソフトに依存せずブラウザーだけで動作する手軽さにある。グラフィックスは「スーパーファミコン」の2D(二次元)ゲームを思わせ、派手なエフェクトや音声があるわけでもない。にもかかわらず、会員数は10年3月末で80万人を超え、日本のブラウザーゲームとしては初の本格ヒットとなった。
予想に反して収益源に急成長
少ない初期投資でオンラインゲームを開発できるブラウザーゲームは、独TravianGamesが04年に開発した「トラビアン」が世界的にヒットしたことで、注目されるようになった。しかし、椎葉氏がブラウザ三国志の開発プロジェクトをAQインタラクティブに提案した08年当時はまだ、日本では海のものとも山のものともつかぬ存在で、成功するとはまったく考えられていなかった。
韓国製オンラインゲームの運営などの経験を持つ椎葉氏は、日本でいち早くブラウザーゲームに注目した草分けの一人。トラビアンのヘビープレーヤーでもあり、このゲームの抱えている問題点を洗い出して「もっと洗練されたゲームにできるはずと考えた」(椎葉氏)という。
ただ、オンラインゲームは元々、販売本数を計算しやすい家庭用ゲーム機向けゲームとは違って売上予測が難しく、しかも題材は使い古された「三国志」である。AQインタラクティブ側の反応も「ヒットするはずがない」というものだったようで、最終的に08年10月、関心を持った武市智行AQインタラクティブ社長(当時)のトップダウンでようやく開発が決まったという。
開発にあたって椎葉氏は、正式サービスに入るまでの開発費を約6000万円、開発チームを約10人と小規模に絞り、サーバーの月間運用コストを1000万円程度として8カ月で投資回収できるように事業計画を組んだ。AQインタラクティブ側も、サービス2年目の10年4月以降は月間売上高が徐々に減少していくとの予想を立てていた。
ところが、AQインタラクティブが8月18日に発表した「4~6月期決算説明会資料」によると、今年2~4月に月間2億円前後で推移していたブラウザ三国志の売上高は、アイテム追加などの施策により5月以降は逆に2億5000万円超へと伸び、10年4~6月期のネットワークコンテンツ事業の部門利益を4億7300万円に押し上げる原動力となった。
三国志、オンラインゲーム、シミュレーションゲーム、ブラウザーゲーム、トラビアン、グラフィックス、ブラウザー、アバター
2012年2月9日付 (2/8)
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