東芝は、7型ワイド画面の液晶ディスプレーを2つ持つ小型ノートパソコン「リブレット W100」を8月下旬に発売する。キーボードがあるはずの場所にもう1枚の画面を配した斬新な設計は、「ガジェット」好きの心をくすぐるに十分。果たしてどんな使い方ができるのか。
リブレット W100は「リブレット」シリーズとしては5年ぶりの新機種で、予想実勢価格は12万円台半ばの見込み。同サイズの液晶を2枚搭載するノートパソコンは海外メーカーが展示会でいくつかコンセプトモデルを公開しているが、製品化は東芝が一番乗りだ。
なお、今回試用した機材は先行試作機であり、店頭モデルは改良や変更が加わる可能性がある。このため、処理性能を計測するベンチマークテストなどは実施せず、2画面の使い勝手や使用感を中心にチェックした。
2画面を1つの画面として利用
東芝が1996年に発売した初代「リブレット20」は幅210×奥行き115×厚さ34ミリ、約840グラムで、当時は「ウィンドウズ95」が動作する最小・最軽量のノートパソコンだった。リブレット W100も幅202×奥行き123×厚さ25.4ミリ(標準バッテリー搭載時)、重さ699グラム(同)と小型・軽量の伝統を引き継いでいる。
2つの7型ワイド液晶は、解像度も同じで1024×600ドット。2つ合わせると画面は153.6 x 180ミリ分の大きさで、解像度は1024×1200ドット分になる。ちなみにアップルの多機能携帯端末「iPad」は画面サイズが9.7インチ(実測で147×197ミリ)で、解像度は1024×768ドット。1画面と2画面では比較にならないが、表示できる情報量や画面サイズはそれほど差がないといえるだろう。
では、この2画面液晶をどのように使うのかを見ていこう。
OSの「ウィンドウズ7」を起動すると、タスクバーやスタートボタンは下画面の下部にだけ表示され、2画面を合わせた全体が1つのデスクトップ画面となる。ウィンドウズには、パソコン本体に2台のディスプレーをつないで1画面として使う「マルチディスプレイ」という設定がある。リブレット W100もこの設定で2画面を1画面として認識しているわけだ。
そのため、2画面にまたがってウィンドウを開いたり2画面を全部使ってフルスクリーンで表示したりもできる。ただ、2画面の間にあるヒンジ部は5センチ弱の幅があり、写真や動画などは2画面フルスクリーンで見るには向かない。一方、横書きの文書やウェブサイトなどは2画面にまたがって表示しても気にならず、画面の広さを有効に使える。
横にすれば電子書籍端末に
画面を上下に並べるノートパソコンスタイルだけではない。リブレット W100は加速度センサーを内蔵しており、本体を90度回転させると表示画面も90度回転する。上下に並んでいた液晶が左右になり、ちょうど本を開いたようなスタイルだ。これは電子書籍などの表示向けで、あらかじめ電子書籍閲覧用のアプリケーションソフトとして「FlipViewer」(イーブック・システムズ)と「ebi.BookReader3J」(イーブックイニシアティブジャパン)の2種類をインストールしている。
FlipViewerを使って、実際に電子書籍を2画面フルスクリーン表示してみた。左右のページが2画面にそれぞれ表示され、画面の左端をタッチするとページをめくり、右端をタッチすると前ページに戻る。動きはスムーズで、文字や写真の表示も鮮明だ。699グラムという本体重量は、ハードカバーの厚めの単行本でも500グラム程度であることを考えるとやや重いが、カバンの中でもかさばらずに持ち歩きやすいという利点はある。
液晶は2画面とも複数の指の動きに反応するマルチタッチ方式で、画面をスクロールしたり、拡大・縮小したりできる。ほとんどの操作は表示に遅延がなくスムーズだが、拡大・縮小だけは表示が何段階かに切り替わるのがわかってしまい、「がたつき感」が気になる。これは、ウィンドウズ7のタッチ操作機能を使っているためで、ウィンドウズ7搭載パソコンに共通する現象だ。アップルのiPadやスマートフォン「iPhone」のようにスムーズで無段階風に見える操作感にはまだ追いついていない。
ノートパソコン、リブレット、電子書籍
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