任天堂は先月末、「ニンテンドー3DS」の販売価格(現行2万5000円)を8月11日に1万5000円に値下げをすると発表した。2月の発売からわずか半年で4割の価格引き下げに踏み切らざるを得なかったことは、DSの販売が予想以上に苦戦していることを露呈してしまった。また2万5000円という価格設定が「子供向けゲーム機としては高すぎないか」という発売前からの疑問を裏付ける結果となった。これまでゲームビジネスで数々のイノベーション(技術革新)を先導してきた任天堂だが、今度は自社の成功体験に縛られて新興勢の攻勢に立ち往生している印象を受ける。
■イノベーションのジレンマに苦闘する任天堂
「イノベーションのジレンマ」の理論で有名なクライトン・クリステンセン氏は07年、米フォーブス誌に「ソニーは次に何をしなければならないか?」と題した記事を寄稿している。
同氏は当時、任天堂が「Wii」でシンプルな操作性の新型コントローラーを登場させて世界を席巻し、それまでのゲーム機の常識を覆す「破壊的なイノベーション」を生み出したと位置づけた。記事では、ハード性能は「プレイステーション3」や「Xbox360」の方が上なのに、任天堂が年末商戦を圧倒的に有利に展開したことを振り返りつつ、ソニーが任天堂の戦略にキャッチアップする必要性を強調している。
それからわずか4年。今度は、任天堂が追われる立場として「破壊的なイノベーション」に直面している。これはゲーム機という特定の機能しか持たない道具が、より汎用的な機能を持つスマートフォンや、クラウドサービスを利用してより安価に楽しめるソーシャルゲームなどとどう競合するかという課題を突きつけている。
■3DSの高価格はOS開発費のため
任天堂が3DSを2万5000円という価格に設定せざるを得なかったのは、ハードウェアの原価以上に、OSなどサービス面を強化するための開発コストを盛り込んでいたためと考えられる。
3DS以前の任天堂のハードは基本的にシングルタスクだった。ゲームを起動している間は、他のソフトのことを考える必要がなく、動作はシンプルだった。しかし、3DSで新たに搭載された「すれちがい通信」の機能は、ゲームしている間でも常時、他の3DSユーザーを無線で探索し、すれちがいざまに通信を試みる仕組みになっている。ゲームをしている最中にも、他の動作が割り込んで入って来るため、OSに当たる高度なシステムを持たなければ実現できない。
任天堂は3DSの目玉の一つとしてネットワーク機能をあげている。これは携帯ゲーム機を、ゲームするだけのハードから、多様なサービスを楽しめる装置に進化させているという意思の表れだった。しかし、実現するためには、任天堂にとって未知の領域であるOSの設計を避けて通ることはできなかった。
実際、調査会社のアイサプライ・ジャパンは3月、3DSの「ハード製造コストは103.25ドル」との分析結果を公表しており、ハードそのものだけならば値下げ余地があった。
任天堂、3DS、値下げ
消費者庁は先週末、携帯電話などで遊ぶソーシャルゲームで使われている「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」が景品表示法に照らして違法にあたるとの認識を正式表明した。すでにグリー、ディー・エヌ・エー(D…続き (5/23)
コンプリートガチャ(コンプガチャ)問題で揺れる日本のソーシャルゲーム。ゲームで獲得できる仮想カードをオークション(競売)サイトなどを通じて現金化できるリアルマネートレード(RMT)問題や、どこまで射…続き (5/16)
急成長している携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けのソーシャルゲームの特性を語る上で欠かせないキーワードが…続き (5/2)
次世代スマホ、処理量に応じ賢くCPU使い分け (5/25)
ホンダジェットを生み出す独創拠点「R&Dセンター」 (5/23)
福島で「消費者から信頼されるコメ」を (5/23)
NEC、バッテリー内蔵型のデスクトップ節電PCを発売 (5/24)
電力不足下の節電、調達技術の活用で企業を支援 (5/22)
気候変動への適応策、急務 農業・衛生など影響 (5/23)
2012年5月25日付 (5/24)
2国間の安全保障問題を乗り越える 中国華為が米で攻勢 (5/24)
海洋・地熱エネルギー、古くて新しい電源 (5/24)
ヒトゲノム1000ドル革命 解読1日で (5/23)
各種サービスの説明をご覧ください。
・名門ハザマ、10年目の白旗
・「すみだ産」世界に挑む、ものづくり現場発~東京・墨田を行く
・スマホ向け定額音楽配信、聞き放題で利用者拡大
・ヤマハ発が200万人試乗会、インドネシアで二輪販促策
・カジタク、家事代行、大阪・仙台でも…続き