【シリコンバレー=岡田信行、ソウル=尾島島雄】多機能携帯電話(スマートフォン)商戦が熱を帯びてきた。米アップルはハイビジョン動画が撮影できるなど機能を充実させた新製品「iPhone(アイフォーン)4」を24日、日米など5カ国で発売する。韓国サムスン電子は8日、米グーグルの基本ソフト(OS)を搭載した新製品を発表した。スマートフォン市場はアップルとグーグルが対決の構図を強めており、新たな競争が市場拡大に弾みをつけそうだ。
「初代機以来、最も大きな飛躍」――アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は7日、サンフランシスコ市内で「iPhone4」をこう紹介した。
アップルは新製品発売に合わせ、携帯向けのインターネット広告「iAd(iアド)」の配信を始める。ネット広告分野でも最大手のグーグルとの競争が本格化する。
一方、サムスン電子が8日発表したスマートフォン「GALAXY S」は4型の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)のタッチパネルを採用。グーグルのOS「アンドロイド」を搭載した。今月中にまず韓国で発売。すでに世界で100万台の予約を受けており、日本にもNTTドコモを通じて今秋投入する。
サムスンは半導体や有機ELパネルなど基幹部品を内製できるのが強み。ソウル市内で記者会見した申宗均(シン・チョンギュン)無線事業部長は「スマートフォンの新標準を提示する」と巻き返しを誓った。
米調査会社IDCによると2009年の世界のスマートフォン市場は前年比15%増の1億7420万台。最大手はノキア(シェア38.9%)で、2位はカナダのリサーチ・イン・モーション(同19.8%)。3位のアップル(同14.4%)は09年6月に発売した「iPhone3GS」の大ヒットで勢いがある。
アップルとグーグルは、昨年までグーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)がアップルの社外取締役を務めるなど親密だった。だがグーグルがスマートフォン向けに独自のOSを開発。「我々が対抗しているのではなく、彼ら(グーグル)が挑んできた」(ジョブスCEO)と対決姿勢を強めている。
グーグルのOSを採用する端末メーカーは徐々に増えている。米モトローラは昨年11月に「ドロイド」、英ソニー・エリクソンは今年4月に「エクスペリア」の名称でそれぞれアンドロイド端末を投入。グーグル自らも1月から「ネクサスワン」(台湾HTC製)の名称で販売に乗り出している。シャープやNECもアンドロイド搭載端末の出荷を予定している。
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