中国で発生した高速鉄道の追突・脱線事故を受け、車両技術を中国に供与した実績を持つ川崎重工業は休日返上で情報収集を急いでいる。ただ事故に関係した車両が川崎重工の技術をどの程度使っているのか、事故原因が何だったのかはいまだ不透明。川崎重工の広報担当者は「現時点でコメントはできない」と説明している。
川崎重工は2004年、東北新幹線「はやて」をベースとする車両技術を中国側に供与した。国有の鉄道車両大手、中国南車が生産している。同じ時期に独シーメンス、加ボンバルディアも中国側に車両技術を供与しているが、どの型の車両が今回の事故を起こしたかは公式な発表がなされていない。
仮に事故車両が川崎重工型で、原因も機械技術の欠陥にあるとすれば同社も対応を迫られる可能性がある。もっとも今回の事故は車両同士の衝突で「(車両とは別の)信号や運行制御システムの問題では」との見方が強まっている。中国は日本から車両と電機品の技術を導入したが、運行管理や信号システムは自前もしくは主に欧州勢と組んで構築してきた。
長期的な事業への影響を懸念する声もある。日本の鉄道車両・部品メーカーは中国の高速鉄道を成長市場と位置付けてきた。特に基幹部品では日本勢の入り込む余地がまだある。
三菱電機は国有車両メーカーにインバーターなど高速鉄道向けの電機品を納めている。日立製作所も来年から、国有メーカーによる高速鉄道車両の増産を見据えた電機品の新工場を吉林省に立ち上げる。運行制御システムの売り込みにも力を入れ始めたところだ。中国の高速鉄道整備計画が事故の影響で大幅に後退すれば、日本企業も戦略の見直しを迫られる。
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