日立製作所は、効率的に化学反応を起こすことができるマイクロリアクタと、反応速度を高めるマイクロ波を組み合わせて、高効率な化学合成を連続的に処理するハイブリッド化学プラント技術を開発した。マイクロリアクタは、数百μm程度の微細な溝の中で薬液を高速に混合することで、高効率な化学反応を実現するもの。2種類の異なる薬液をマイクロリアクタにより高速混合することで反応効率を高めるとともに、薬液にマイクロ波を照射することで反応速度を高めて化学合成時間を短縮する。
同技術の開発に当たっては、マイクロリアクタの流路の材質と形状を薬液の種類に応じて最適化するとともに、薬液の誘電特性に応じてスタブチューナと呼ぶマイクロ波の吸収調整素子の設置位置を調整した。これにより、さまざまな薬液に対応できるようになった。加えて、複数個を並列に配置することで処理量を増やせるというマイクロリアクタの特徴を生かせるよう、複数の導波管に均等にマイクロ波を分岐し、かつエネルギ損失の少ない分岐導波管を設計。マイクロ波の伝送効率は99%を実現したとしている。スタブチューナの位置設定やマイクロ波の均等な分岐に当たっては、シミュレーション技術を活用した。
幅2400×高さ2000×奥行き900mmの試作装置を用いて、電子材料などに用いるnmサイズの銀粒子の合成を行ったところ、従来の原料を撹拌(かくはん)する方式の反応装置に比べて、合成時間が約1/10に短縮できたという。粒子径のばらつきを表すCv(変動係数)値も約75%から31%に低減でき、粒子径の均一化に効果があることも確認した。同社では、今後、同技術を化学プラントに適用することで高性能・高機能な電子材料や医薬品などの開発につなげたいとしている。
(日経ものづくり 吉田勝)
[Tech-On! 2010年9月8日掲載]
日立製作所、マイクロリアクタ、化学プラント、スタブチューナ、合成時間、マイクロ波
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