ディスプレイ産業の閉塞感を打破する新しい“成長ドライバ”として,にわかに大きな期待を集めている市場がタブレット端末だ。ディスプレイ関連最大の国際会議「SID 2010」の2日目に開催された「Business Conference」では,タブレット端末に関するセッションが開かれ,米DisplaySearch社がその市場予測を発表した。
タブレット端末に対するディスプレイ業界の関心は,米Apple社の「iPad」の登場によって一変した。これまでにも,1990年ごろから様々なタブレット端末が製品化されてきたが,ディスプレイ市場に大きな影響を与えるまでに至ることはなかった。2000年代に入り,専用OS「Windows XP Tablet PC Edition」の発売などタブレット・パソコン(PC)市場を活性化させる出来事もあったが,その市場はわずか100万~200万台の規模で推移している。
ところが,2010年4月に発売されたiPadが状況をがらりと変えた。「当初,iPadが最初の1カ月で100万台の市場規模になると考える人はほとんどいなかった」と,米DisplaySearch社のDirector, Notebook Market ResearchのJohn Jacobs氏はBusiness Conferenceのタブレット端末セッションで語った(写真)。しかし,「実際には最初の1カ月で100万台市場となり,2010年内に1000万台市場となる見通しだ」(同氏)と言う。
さらに,2010年下期以降には,Apple社以外の複数の会社から「Slate PC」(Slateとは,昔,子どもがノートの代わりに使用していた石板のこと)と呼ばれるタブレット端末が次々に製品化される予定であるという。DisplaySearch社はSlate PCの市場規模について,「2011年には1000万台に迫り,2013年には1200万台を超える」と予測している。ただ,iPadやSlate PCの台頭により,「既存の小型ノートPCや電子書籍端末,携帯型ゲーム機の市場成長がいくらか影響を受ける可能性がある」と,Jacobs氏は指摘した。
(Tech-On! 田中直樹)
[Tech-On! 2010年5月25日掲載]
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