シャープは,携帯機器向けの液晶コントロールICの新製品として「LR388G9」を開発した。画素数が最大1024×480画素(ハーフXGA相当)の異なった動画像データを,二つの液晶パネルに同時に表示できる(図1)。HDMI経由で外部接続した液晶テレビやプロジェクターなどに,1920×1080画素のいわゆるフルHDの動画を出力させることも可能だ(図2)。
同社従来品は,2008年7月に発表した「LR388D8」。画素数が最大864×480画素(ワイドVGA相当)の異なった動画像データの2画面表示に対応していた。それを今回,内蔵するメモリ容量を16Mビットから32Mビットに増やしたほか画像処理速度を向上させることで,より高画質な画像の表示を実現したという。
新しい市場を開拓したい
「単なる性能向上品ではない」――。開発者の一人である片山修一氏(同社 電子デバイス事業本部 システムデバイス第二事業部 企画部 参事)は,今回発表したLR388G9を従来品の延長線上にはない製品だと位置付ける。同じく開発を担当した堀川豊史氏(同社 電子デバイス事業本部 NB事業化推進センター システム開発部 副参事)も「これまでメイン画面とサブ画面という役割分担がなされてきた二つの液晶ディスプレーを,いずれも高画質化できたことで両方をメイン画面としてとらえられるようになった」と続ける。これまでのスマートフォン向けだけでなく,新規市場での需要喚起を狙う(図3)。例えば,電子書籍端末やフォトフレーム,ネットブックなどを挙げた(図4,図5)。
新たな市場を開拓すべく,画質の向上以外にも大きく変更したところがある。フルHD動画を出力するためのHDMIのほか,いくつかのインターフェースを新規に搭載した。具体的には,高速シリアル・インターフェースの一つであるMIPI(Mobile Industry Processor Interface)に対応した。同社従来品では,米Qualcomm社が推進する携帯電話機向けのシリアル・インターフェース規格「MDDI(Mobile Display Digital Interface)1.0/1.1」のみだった。開発品では,MIPIのほかMDDI 1.1/1.2/Type2にも対応することで,汎用性を高めたとする。
液晶パネル用のインターフェースでもMIPIを対応させた。従来どおり,シャープが開発した「SVDI(Sharp Video Display Interface)」も搭載する。静止画用のインターフェースは,これまで最大800万画素だったものを1400万画素まで高めた。このほか,高速赤外線通信規格「IrSimple」や,SD/SDHCメモリーカードのインターフェースを備える。
パッケージは261端子のWFBGAで,外形寸法は8mm×8mm。既にサンプルを出荷中である。サンプル価格は2400円。2010年9月1日から,月産10万個の量産を予定する。
(日経エレクトロニクス 久米秀尚)
[Tech-On! 2010年7月26日掲載]
シャープ、液晶コントロールIC、液晶パネル、インターフェース、MDDI、MIPI
2012年2月9日付 (2/8)
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