JX日鉱日石エネルギーは、水中にすむ微細藻類のミドリムシからジェット機の燃料を製造する技術開発に本格的に取り組む。航空輸送の低炭素化の動きを受け、ミドリムシの培養技術で実績のある東京大学発のベンチャー企業、ユーグレナ(東京・文京、出雲充社長)、日立プラントテクノロジーと3社で挑む。2018年度の事業化を目指す。ミドリムシに着目した背景などを同社執行役員で研究開発企画部長の吉田正寛氏に聞いた。
――バイオ航空燃料の共同研究に着手したのは、航空会社からの要請が契機になったのですか。
「それ以前から、当社はバイオエタノールや植物油脂の燃料化の研究を進めていて、ミドリムシなど微細藻類の成長性や生産性に着目して大学への委託研究などに取り組んできた。そんななか、2009年2月に日本航空と全日本空輸の2社から要請を受け、共同開発に具体化した」
「09年1月に米ボーイングの働き掛けで、日本航空がバイオジェット燃料を使ったジャンボジェット機のデモンストレーション飛行を行った。これは、バイオ燃料でも問題なく飛行ができることを世の中に示すのが目的だった。その後、欧州で国際線の航空機に温暖化ガスの排出削減を義務付ける規制が具体化し、空の二酸化炭素(CO2)減らしが航空会社にとって大きな課題となってきた」
「航空会社はすでに、航空機や貨物の軽量化をはじめ様々な手段でCO2排出抑制に取り組んできたが、思い切った削減には燃料の転換が不可欠だ。09年のボーイングと日航の試みでは、米国の企業がバイオ燃料を供給した。いずれ本格的に導入を考えるなら、世界のどこでもバイオ燃料を給油できる体制をつくる必要がある」
――それにしても、なぜミドリムシですか。
「微細藻類は陸上の植物に比べて生産性が高いことに加え、ミドリムシがつくり出す油がジェット燃料に近いことが大きい。微細藻類では、ボトリオコッカスやシュードコリシスチスなどもよく研究されているが、これらがつくる油はジェット燃料向けとしてはやや重質だ。ジェット機が飛行する高空では外気温がマイナス50度ほどに下がり、軽質な油でないと使いにくい」
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