東京電力は常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)で、石炭に木質バイオマス燃料を混ぜた発電を2011年度から始める。アジアで生産するバイオ燃料を国境を越えて有効利用し雇用創出にもつなげる国際サプライチェーンづくりを視野に収めた試みだ。同社火力エンジニアリングセンターの松田茂弘・低炭素技術グループマネージャーにバイオマス燃料利用の課題などを聞いた。
――地球温暖化対策の一環で木質バイオマスの利用を始めるそうですが。
「木くずなどを圧縮成型したペレット状のバイオマス燃料を石炭に約3%混ぜて燃やす。出力100万キロワットの常陸那珂火力1号機で、年間約7万トンの木質ペレットを燃やす計画だ。ざっくり言って年間約60億キロワット時の発電量の約3%をバイオマスで賄う計算だ。これによって年間11万トンの二酸化炭素(CO2)排出削減につながる。一般家庭約2万世帯分の排出量に相当する」
「木質ペレットを貨物船から荷揚げする機器や貯蔵サイロの建設を進め、11年度から試験運用、12年度から本格的な利用を始める。常陸那珂では石炭火力の2号機を建設中で13年末に運転を開始する。1号機でのバイオマス混焼の実績をみて、2号機でも導入を考えている」
――石炭に木くずを混ぜて燃やすと聞くと、技術的には難しくないように思えますが、3%が限度なのですか。
「ボイラーにコンベヤーで石炭を運ぶ途中でペレットをまくような感じで混ぜる。それだけなら簡単そうに聞こえるかもしれない。しかし、高効率の石炭火力では、石炭は粉砕機(ミル)で砕いて微粉炭にして燃焼機(バーナー)から噴出して燃やす。石炭はミルで容易に砕けるが、粘りがある木質ペレットは砕くというより、つぶして繊維を切るような形になる。木質ペレットを入れすぎると、石炭の粉砕の能力が落ちてしまう」
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