東芝が2011年5月19日、スイスLandis+Gyr社の買収を発表した。Landis+Gyr社は、約30の国や地域で事業を展開し、8000以上の顧客にサービスを提供しているスマートメーターのトップ企業である。これまでに約500万台のスマートメーターを販売した実績を持つ(図1)。世界のスマートメーター市場では知名度のなかった東芝だが、Landis+Gyr社を買収することで一気に世界的なプレーヤーとしての存在感を放ち始めた。
スマートメーターとは、通信機能を備えた電力メーターで、電力会社とデータをやり取りしたり、家電製品とつながってそれを制御したり、消費者に現在の電力料金や使用量を伝えたりするためのキーデバイスである。スマートメーターが備える機能を活用することで、再生可能エネルギーの大量導入やスマートグリッドの構築が格段に容易になる。つまり、このところ世界的に活発になっているエネルギーの導入やスマートグリッドの構築の前提条件になるのがスマートメーターで、それがこの買収劇の背景にある。
■2020年に向けて急速に普及
スマートメーターは、欧州、米国で普及が始まっている。最も進んでいるイタリアやスウェーデンでは、ほぼ全戸に設置が完了している。それに続き、フランスやイギリス、スペインでは2020年までに全戸導入する計画。EU指令では、2020年までに全体の80%の電力メーターをスマートメーター化することを各電力会社に要求している。欧州でのスマートメーターの導入は、盗電対策のほか、風力発電などの再生可能エネルギーによる不安定な発電に対応したスマートグリッドの構築を目的としている。
米国のスマートメーター設置台数は、2009年に1000万台を超えた。2013年には5000万台を超えて、全米の約30%に達する見通しで、2015年には50%、2020年には100%を目標に掲げている。
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