風力発電は、コスト面では太陽光を上回る実力を持つが、国内の成長に不確実性がつきまとう。電力会社による固定価格買い取りや環境アセスメントなど新制度の具体像が見えにくいからだ。そんななか、発電事業者と機器メーカーなどの2団体が統合し新しい日本風力発電協会が発足した。協会の永田哲朗代表理事(ユーラスエナジーホールディングス社長)に風力産業の展望を聞いた。
――風力や太陽光など再生可能エネルギーでつくる電気を電力会社が買い取る制度について、政府は制度案を示しましたが、どうみますか。
「新しい制度がおぼろげに見えてきた。しかしこれまで普及を促してきた新エネルギー等電気利用法(RPS法)や風力発電に対する補助金制度がどうなるのか、はっきりしない。RPS法は電力会社が買い取る電気の『義務量』を決めているが、いつ新制度に切り替わるのか。本当に切り替わるのか。そのあたりが見えない」
「買い取り制度ができれば、補助金は廃止するのが筋だろうが、発電事業者としては、できれば今のままか、多少小さくなっても続けてほしいというのが本音だ。また新制度の施行は来年以降になるが、現行制度が今年で廃止になるとすると、その間はどうなるのか。すでに建設中のものはともかく、新規の発電所建設がしばらく止まってしまう。経過措置が必要だ」
――買い取り価格の水準についてはどうですか。
「制度案には幅があり、その幅のうちのどこに決まるかで天国と地獄の違いがある。現行案は買い取り期間が15~20年で買い取り価格は1キロワット時当たり15~20円だ。現状のRPS法での平均買い取り価格は10円40銭だが、3分の1の補助があるので、事実上、15~16円の効果がある。電力会社による買い取り契約は平均して期間17年だ」
「つまり、買い取り価格16円、期間17年の現状の条件と同等の価格では、採算がとれずインセンティブにならないのが現実だ。買い取りが最低でも20年間、20円以上でないと、風力発電が画期的に増えていくという事態にはならない」
「新制度案は、既設の設備をどう扱うかも不明だ。現に再生可能エネルギー供給に貢献するのだから、新設の発電設備のみを買い取りの対象にするのでは筋が通らない。稼働後の期間などを勘案して、既設も買い取り対象に加えてほしい。設備を建て替えたらどうなるかも決まっていない。また蓄電池を併設している場合はどうか。蓄電池を活用して、風力からの供給電力を平準化するビジネスモデルの発電事業者があるが、蓄電池には今は補助金が出る。どうなるのか」
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