建設・不動産の総合サイト「ケンプラッツ」は「日経不動産マーケット情報」の協力を得て、2002年以降に計画された東京都区部の主要オフィスビルを対象に、建物の断熱性能を熱負荷係数で表す「PAL(パル)」と、設備の省エネ効率をエネルギー消費量の低減率で表す「ERR(イーアールアール)」のデータをビルごとに集計した。いずれも、設計に基づく建物の環境性能を測る指標のひとつだ。その数は、約150棟。都の「建築物環境計画書制度」で公表されている情報を基にしている。以下にその結果を報告する。
PALの値が最も小さかったのは、カルピス本社ビルだ。1m2当たりの年間熱負荷係数は170.10MJで、大規模なオフィスビルの基準値となる1m2当たり年間300MJより4割以上少ない。2位が三菱商事ビルディング、3位が鹿島赤坂別館と続く。1位から5位までいずれの建物もPALの値が170代と、基準値(1m2当たり年間300MJ)の6割以下に抑えている。

PALの上位20(1m2当たりの年間熱負荷、単位MJ/m2・年)
PALは、建物そのもののつくり方を工夫して、外部からの熱負荷を軽減し、空調や換気によるエネルギー消費量を削減していることを示す指標だ。例えば、倉庫や階段など空調しなくてもいい部屋を西側に配置する工夫、外壁や屋根の断熱強化、庇(ひさし)やブラインドによる日射遮蔽(しゃへい)、熱線反射ガラスやペアガラスの使用など、冷暖房負荷を下げる対策が有効だ。
PALの値が最も低いカルピス本社ビルは、延べ床面積およそ1万3000m2、04年12月に完成した建物だ。山下設計と清水建設が設計を、清水建設が施工を担当した。
熱負荷を下げるため、西側にコアを配置した。外装は、横に連なるガラス窓とプレキャスト版を組み合わせて、ガラス面の割合を抑えている。窓面積の外壁面積比は23.40%だ。窓の位置を外壁より少し後退させて日射遮蔽効率を高め、遮熱高断熱複層ガラスを採用した。また、空調の噴き出しを窓側に設置することで窓の温度が上がりにくくしている。

カルピス本社。外装は、横に連なるガラス窓とプレキャスト版を組み合わせて、ガラス面の割合を抑えている。日射遮蔽効率を高めるため、窓の位置を外壁より少し後退させている(写真:ケンプラッツ)
ERR、カルピス、オフィスビル、PAL、エネルギー消費量、晴海センタービル
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