米セールスフォース・ドットコムは2010年12月6~9日、ユーザー企業と開発者向けの会議「ドリームフォース 2010」を米サンフランシスコで開催した。今年はアプリケーションソフト開発支援を手掛ける米Heroku(ヘロク)の買収やクラウド型データベース「Databese.com(データベース・ドットコム)」の発表などが話題をさらった。会場内での発表内容やキーパーソンのコメントから、セールスフォースが目指す新しい戦略が見えてきた。
中堅から大手向けサービスを充実
1999年に創業したセールスフォースは、オンラインで顧客管理ソフトを提供する「アプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)」として出発した。パッケージソフトやクライアント・サーバー型のアプリケーションが全盛だった当時、ネットワーク経由でサービスを提供する同社はまだ異色の存在だった。そのためシステム構築力が弱い中小企業などの支持を集め、この市場を中心に急成長を続けてきた。
ここ数年は「クラウドコンピューティング」のブームもあり、ユーザー企業を中堅から大企業にまで広げている。今年のドリームフォースでは、Databese.comのほかに「VMforce」と「RemedyForce」を発表したほか、「ISVforce」「Appforce」「Siteforce」の機能を強化し、「クラウド2」というキーワードでアピールした。これらはクラウドアプリケーションの開発環境やウェブサイト構築ツール、ヘルプデスク機能などを追加するもので、中堅から大企業向けにクラウドサービスを本格展開するセールスフォースの狙いを物語っている。
セールスフォースは従来、顧客管理ソフトをネットワーク経由で提供するプロバイダー事業を主力とし、米IBMや米ヒューレット・パッカード(HP)などのクラウドを使うソリューションベンダーとは一線を画していた。しかし今年の発表では、セールスフォースがソリューション分野に積極的に参入し始めたことがはっきりとわかる。
IBMやHPなどに比べると、セールスフォースの企業向けサービスは質・量ともに充実する必要がある。現状はサービスを拡大している段階にあるが、着々とクラウド市場の総合ソリューションベンダーに生まれ変わろうとしている。
Javaに加えてルビーの開発環境をサポート
2日目の基調講演では、サンフランシスコを本拠とするヘロクを2億1200万ドルで買収したと発表した。ヘロクは、「Ruby on Rails(ルビー・オン・レールズ)」と呼ぶウェブアプリケーション開発環境にいち早く対応したベンチャー。ウェブアプリケーションの開発や統合、実行などを容易にするプラットフォームを提供している。
VMforce、アプリケーションサービスプロバイダー、Databese、サーバー、データセンター
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