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1万人をタダでつかんだカトキチとすき家の極意 ビジネスツイッター総点検!(2)

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2010/5/4 8:00
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 1億8000万人を巻き込みながら、世界規模で進行する「つぶやき現象」。誰もがタダで参入できる新たなメディアへと、企業も殺到している。日本もその例外ではない。「ツイッターをやらないことがリスクだ」とさえ言い切る企業もある。宣伝らしきものに冷めた消費者を相手に、ファンを増やす極意は。そして、そのメリットとは。ツイッター活用の先達に学ぶ。

 国内の「公式企業アカウント」の数は2010年1月から4月の3カ月で約4倍に増え、2000を突破した。勢いは衰えを知らない。だが、徒手空拳でつぶやいたところで、そう簡単にフォロワーが集まるわけではない。多くの企業アカウントは、フォロワーの獲得に苦戦を強いられている。

 その一方たった1人で、しかも口コミだけで、わずか半年のあいだに2万人に届かんばかりのフォロワーを集めた企業もある。冷凍うどんで有名な、「カトキチ」ブランドを擁するテーブルマーク「@KATOKICHIcoltd(http://twitter.com/KATOKICHIcoltd)」だ。つぶやきの主は、広報と宣伝を束ねるコーポレートコミュニケーション部の末広栄二部長である(写真1)。

写真1 「カトキチ」ブランドを擁するテーブルマークの末広栄二部長と同社公式アカウントのつぶやきの例
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写真1 「カトキチ」ブランドを擁するテーブルマークの末広栄二部長と同社公式アカウントのつぶやきの例

「おやじギャグ」で先行企業をごぼう抜き

 「ツイッターを始めた目的は、生活者とのコミュニケーションの頻度を高くすること。結果として、いい会社だなと思ってもらえればいい。だから商品の宣伝は極力しないようにしました」。今では、講演会や取材の依頼がひっきりなしに舞い込み、すっかりツイッター界の有名人となった末広部長は、こう話す。

 アカウントを開設し、つぶやき始めたのが2009年10月7日。フォロワー数は、09年末に5000を超え、2010年1月に1万を突破。4月末時点で1万9000以上と、国内屈指の規模に急成長した。

 先行者利益も手伝ったが、東急ハンズや「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブなど、テーブルマークよりも先にアカウントを開設していた数多くの有名企業をごぼう抜きにした実績は大きい。武器は「おやじギャグ」だ。

 「おそれいりこだし」「ありカトキチ」「おそれいります うどん」「麺類皆兄弟」「Yesカトキチ」…。

 これらのギャグを、末広部長はフォロワーとのコミュニケーションに頻繁に使う。フォロワーが数千人単位になれば1人で相手をするのは困難。なるべく多くのフォロワーと触れ合うには短いセンテンスの言葉が有効だ。だが、ありきたりの言葉では空虚に映る。そこで、返答に向き、かつカトキチや自社商品にちなんだギャグを開発した。

主力商品が「生産が追いつかないほど」の売れ行きに

 コミュニケーションを重ねるほどフォロワーはファンとなり、優良顧客となる。いわゆる顧客とのエンゲージメント(きずな)が強くなり、企業の収益に跳ね返る。そう理解していたからこそ、末広部長は緩いコミュニケーションを、朝も夜も休日も、体力の続く限り、続けた。その結実が、企業アカウントとしては随一を誇るフォロワー数だ。

 末広部長いわく、「メリットは計り知れない」。ファンとなったフォロワーがうどんの写真を投稿し、「カトキチなう」とつぶやいてくれる。店舗では、頼んでもいないのにカトキチ製品を陳列棚の手前に置いたり、未入荷の商品を店の人に注文してくれたりする。

 主力商品の冷凍うどんは今春、「生産が追いつかないほど」の売れ行きを見せているという。さらには、タダで雑誌やテレビ各局が末広部長の取り組みを紹介してくれ、そのメディア効果でまたフォロワーが増える。自著の刊行まで決まった末広部長は、言う。

 「ブランディングは恋愛と同じで、押しつけてもうまくいかない。お笑い番組をやっていると思っていて、私は司会者。PRしないの?と逆に心配されるくらいがちょうどいい。それで、いつしかカトキチに愛着を感じてもらえれば、うれしい」

 同じようなことを言う広報“室長”がいる。「すき家」や「なか卯」など国内で3700店舗以上を展開する飲食チェーン、ゼンショーの藤田直樹広報室長だ。ツイッターでは、「広報室長」の名で通っている。

企業アカウントを支えるものは「愛」

 「愛ですね。企業ツイッターを支えるものは。お一人お一人の」。2010年3月8日、広報室長は、つぶやいた。企業アカウントとは、どうあるべきか。「軟式」と呼ばれる、ともすればふざけていると取られるような緩いコミュニケーションでよいのか。広報室長として苦悶(くもん)した末に出てきたセリフだった。

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