10月18日から4日間、米シカゴでモバイル通信の展示会「4G World」が開催された。今回、名称を従来の「WiMAX World」から変更し、次世代携帯通信サービス「LTE(long term evolution)」を含む次世代(4G)モバイルブロードバンドの総合展示会に生まれ変わった。
携帯電話会社の多くは現在、4Gネットワークの技術規格としてLTEを選んでおり、その数は世界で150を上回る。2010年末までに日本ではNTTドコモが東京・大阪・名古屋から、米国ではベライゾン・ワイヤレスが全米38都市で、LTEの商用サービスを開始する。その一方でこれまで4Gの商用サービスで先行していたWiMAX陣営が微妙な立場に置かれている。今年の4G Worldは、こうした事情が会場の随所に影を落としていた。
ブースを2つに分けて展示
初日の朝食会には、WiMAX機器の大手であるアルバリオン(イスラエル)のモハンマド・シャクリ戦略&マーケティング担当副社長が登場。「SDRを軸にWiMAXとLTEの両方に柔軟に対応する」「WiMAXがLTEと共存するにせよ、LTEを融合するにせよ、積極的にサポートしていく」との方針を示した。SDRとはソフトウエア無線と呼ばれ、同調・選局・復調などのハード部分をソフトウエアに置き換える技術。端末の小型化と柔軟性、多様性を実現できる。
アルバリオンに限らず、WiMAXを手がけてきた機器メーカーの多くはWiMAX機器とLTE機器を並行して開発している。例えば韓国のサムスン電子や中国の華為技術(ファーウェイ)は4G Worldのブースを半分に分け、それぞれで次世代WiMAX(802.16m)機器と次世代LTE(LTE-Advanced)機器を展示していた。WiMAXとLTEは共通の技術基盤に立脚しており、「WiMAX機器の開発経験をLTEにも生かせる」と多くのメーカーが口をそろえる。
サムスンは韓国で実用化された「WiBro」の技術をWiMAXに継承していることもあり、米国でもWiMAXの展開に力を入れてきた。米国最大の広域WiMAX事業者クリアワイヤが09年1月に米ポートランドでサービスを開始したときも、サムスンがネットワーク機器を提供しインフラを建設していた。
WiMAXに力を注いだため、サムスンは「LTEビジネスでやや出遅れた」と言われていた。それでも追随してLTEも展開している。10年10月に米国の中堅携帯事業者MetroPCSが米国初のLTE商用サービスをラスベガスで始めた際に、基地局および携帯端末を提供したのはサムスンだった。
LTE投資熱の陰に回るWiMAX
このほか総合通信機器メーカーの仏アルカテル・ルーセントやフィンランドのノキア・シーメンス・ネットワークス、スウェーデンのエリクソンも、当面はWiMAX市場に対応しつつLTE分野を拡充しようとしている。4G Worldでは、モトローラソリューションビジネスが新型のLTE対応USBモデムを発表するなど、各社がLTEの開発体制強化を進めていることが明らかになった。
WiMAX、LTE、モバイルブロードバンド、iPad、WiBro、FCC、SDR
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