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「ソーシャル革命」の裏側

「AKB」に65万人 ライブハウス「ニコファーレ」本当の狙い
ドワンゴ川上会長が抱く「ニコ動」とリアルの融合の先

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2011/7/23 7:00
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 平日1ドリンク付きで1開催63万円。これにLEDモニターの使用料(動画)がオペレーター付きで105万円。音響や照明などの人件費も別途かかる。だが、川上会長は「ユーザーさんには一般へのプライスとは違う安い値段で貸そうと思っています。一応、技術者も付けてあげて30万円くらいとか。要相談ですけれど、ほぼ原価で(笑)」と明言した。

 ユーザーによるリアルのイベントとなると最大380人収容のニコファーレくらいの箱で十分。しかし、ネット視聴の枠はいくらでも広がる。例えば、1000円のネットチケットが1000枚売れれば100万円の収入になる。そういった稼げる場所を才能あふれるネットの住民に与える――。それこそが、川上会長が抱く真の狙いだった。その思いは、ニコ動全体に流れる通奏低音である。

■バーチャルに生きる者を食わす

 本格開始から2カ月でSNS(交流サイト)の「mixi」が1年4カ月かかって達成したアクセス件数を集めたニコ動。その急成長ぶりが話題を集めていた07年3月、川上会長はこう話していた。

 「リアルからバーチャルへの大移住が始まっているんです。いいか悪いかは別として、バーチャルをリアルとして生きる人間が増えるのは間違いない。避けられない。それが先進国。だから、『ネットのせいでニートが増えて困る』とか言ってる場合じゃなくて、バーチャルに移住するためのツールや仕組み、その社会はどうあるべきかを真剣に考えないといけないんですよ」

 「最近、ドワンゴはそれを考える会社なんじゃないかなと思い始めたんです。社会的にはあまり評価されないけど優秀な人が働ける会社を作ろう、バーチャルに生きて稼ぎがない人が生活できる会社を作ろう、という思いが創業の根本。創業メンバーって、もともとリアルの知り合いじゃない。バーチャルで集まって上場したのって、うちだけじゃないかな。だから、バーチャルに根ざした社会に必要なツールを作るのに、一番近いポジションにいるんだろうと思うんです」

 90年に京都大学工学部を卒業した川上会長は、大手ソフトウェア販売のソフトウェアジャパンに入社するが、経営悪化で96年に営業停止したのを機に、ネット上のプログラマーのコミュニティーやオンラインゲームで活躍していた仲間とドワンゴを設立した。同じようにネットで発揮されている才能をリアルの社会で生かすインフラを作れないか、と考えた。そうして出来たのが、ニコ動だった。

不朽の名作とされているボーカロイド楽曲「メルト」の画面。「supercell」によるもので再生は730万回以上。カラオケでランキングの上位に食い込むほどの人気だ
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不朽の名作とされているボーカロイド楽曲「メルト」の画面。「supercell」によるもので再生は730万回以上。カラオケでランキングの上位に食い込むほどの人気だ

 ほどなく、ボーカロイド楽曲を発表するPや、歌い手、踊り手による独自の文化が醸成。08年1月には登録会員が500万人を超え、ニコ動から発展してドワンゴによる「着うた」、カラオケへの楽曲提供、CD発売といった商業活動へ進出するユーザーが相次いだ。

 初音ミクの人気楽曲を連発していたユニット「livetune」による08年8月発売のCDアルバムはオリコン週間チャートで安室奈美恵や徳永英明などに次ぐ5位にランクイン。ニコ動発のメジャーデビューとランクインはその後も続き、10年5月にはボーカロイド楽曲を集めたアルバムが週間1位を獲得するなど、既存の音楽業界が無視できない存在へと成長した。

■ユーザーの活躍の場を広げたミュージカル

11年1月公演のミュージカル「ニコニコ東方見聞録」の紹介ページ
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11年1月公演のミュージカル「ニコニコ東方見聞録」の紹介ページ

 一方で川上会長は音楽以外の活躍の場も用意した。それが10年末から始めたニコ動のミュージカル・舞台劇「ニコニコミュージカル(ニコミュ)」だ。ニコファーレ同様、リアルと同時にニコ生でのネット視聴チケットも販売。11年1月に公演した「ニコニコ東方見聞録」では、主演を含むメインキャストをニコ動で人気のユーザーで固めた。

 今年5月公演の「ココロ」や7月公演予定の「カンタレラ」は、ニコ動に投稿され人気を博したボーカロイド楽曲の世界観をテーマに作られたもの。タイトルも劇中歌もそのまま採用した舞台劇で、キャストはプロの役者とユーザーの混成とした。これらニコミュの指揮官として川上会長が白羽の矢を立てたのが、10年1月にドワンゴの執行役員として迎え入れ、ニコミュの総合プロデューサーとして起用した片岡義朗氏である。

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