ヤクルトが借金19から巻き返し、貯金までつくるという“偉業”をなし遂げた。借りたものを返さずに済ます、といったズルがまかり通る昨今。こつこつ借りを返したヤクルトの粘りは学校の教科書に載せたいくらいの話だ。
借金が増え出したころ、チームの目標を、開幕後未勝利のエース・石川雅規に白星をつけることに絞ったらどうだろう、と書いた。実際、その旗印のもとにチームが動いたかどうかは知らないが、絶望的な状況からの脱出が「とりあえずできることからやる」という小さな一歩から始まったのは間違いないと思う。
たとえばリーダーの宮本慎也。一時の低迷から、帳尻を合わせてきた。結果が出る、出ないにかかわらず、中堅返しという本来の打撃を続けたおかげではないだろうか。
1958年の西鉄は球宴直前、首位南海に11ゲーム差をつけられながら、追い上げて逆転優勝した。何も特別なことはしなかった。ただ記憶にあるのはそのころ、西鉄で全力疾走がちょっとしたブームになっていたことだ。
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