男の子が生まれると、父親は木の枝を切って作ったバットと石を布でくるんだボールを与える……。かつてそんな習わしがあったというドミニカ共和国を視察したのは8月初めのこと。ヤシの林を切り開いたフィールドに、野球の原風景をみた。
スターの原石を求め殺到
ゴールドラッシュのように、メジャーの各球団がスターの原石を求めて、カリブ海に浮かぶ国、ドミニカ共和国に殺到したのは1980年代にさかのぼる。
先鞭(せんべん)をつけた球団の一つが米西海岸進出以来、常に野球のフロンティアの開拓に当たってきたドジャースで、1987年にベースボールアカデミーを開校している。
このときに作られ、今も使用されている合宿所「Campos Las Palmas」(ヤシの館というほどの意味だろうか)には、大きな吹き抜けのホールに蚕棚のような2段ベッドがずらりと並んでいる。この光景、どこかで見たぞ。
近隣の国々からも集まる
そうだ、日本の海軍兵学校があった広島県の江田島の資料にあった風景ではないか。私の父は江田島の海軍兵学校の生徒で、卒業直前に終戦を迎えた。そこで見た軍隊の宿泊設備の写真にそっくりだ。
このアカデミーにはメジャーをめざそうという10代後半から21、22歳くらいの若者が集う。ドミニカ共和国だけでなく、ベネズエラやパナマなど近隣の国々からも集まってくるから、カリブの野球のセンターといってもいいだろう。
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