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がれきはゴミじゃない(震災取材ブログ)
@宮城・石巻

2012/2/10 7:00
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 宮城県石巻市雲雀野町。深い群青色の海が静かに広がる傍らで、水面下の魚を探す鳥のように、無数のショベルカーがせわしなく動いていた。東日本大震災で発生した大量の災害廃棄物「がれき」をつかんでは、一時保管用の袋に詰め込んでいく。詰めども詰めども減る様子を見せない“山脈”を見上げながら、マスクをわずかにずらすと特有の強い異臭が鼻を突いた。

海に面した2次仮置き場では多数のショベルカーが稼働している(宮城県石巻市雲雀野町)

 案内してくれたゼネコン(総合建設会社)の担当者が運転する車で、ふと気がかりだったことが頭をよぎった。このがれきの2次仮置き場の施設配置計画に盛り込まれている「思い出の品公開センター」とは……。

 「がれきの中から写真が入ったアルバムなどが見つかることがあるので、そういう品を保管する場所です」と担当者は質問に答えてくれた。

 センターは今後、がれきを選別するヤードや運搬するコンベアなど本格的な処理施設を建設する際につくる。がれき選別の段階で思い出につながりそうな品を見つけたら保管し、被災者向けに公開するのだという。

 「1つでも多く見つけたいですね。誰かの大切なものですから」。締めくくりのセリフがこちらの心に余韻を残した。

 がれき処理は大手ゼネコンを筆頭にした共同企業体が、地方自治体から委託を受ける方式で進んでいる。思い出の品公開センターも、もしかしたら受託を得るための一環かもしれない。だが、現場で働く者の気持ちとそうした思惑は必ずしも一致しない。

 被災自治体は処理の進捗に目を光らせ、県外の一部自治体はがれきの引き受けに難色を示す。受け入れ予定地では反対運動が起きることもある。誰もががれきをがれきとしてしか認めない。それでも積み上がった山と日々向き合う現場作業者は、こうした気持ちも抱いている。

 「がれきはゴミじゃないんです」

 処理を課せられた者だからこそ言える素直な声に聞こえた。(中谷庄吾)

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